2007年10月11日

たびいぬが往く−草、粉もん、旅のおわり−(Y)

ハーブガーデンドッグラン。
素敵な響きである。
色とりどりのハーブに囲まれた中を華麗に走り抜けるハルさんの姿が思い浮かんだのも無理からぬことであろう。
ハーブたちに見つめられながら、他の犬に狩られるハルさんの姿というのも見てみたい気がする。

木立の中で狩られる

そんな期待感に満ちて、私たちはナビの指し示す方向に車を向かわせた。
けれど、目的地近辺に到着したとナビが言い張っているものの、辺りにはドッグランのドの字も見えない。
犬の鳴き声や、足音さえも聞こえない。
場所を間違えたのではないかと思い、引き返そうと踵を返した時、道路を隔てて反対側に長らく人の手が入っていない様子の空き地があった。
よく見ると、周囲は柵で囲まれている。

「もしかして、あそことちゃうか」
「ウソ!?あれは廃墟やで。廃墟」
「まあ、ここまで来たからにはちょっと確かめてみよか」

辺りがシンと静まる中、私たちは恐る恐る近づいていった。
まるで心霊スポットを見学しにきたように。

「草ボーボーやな。やっぱりただの空き地やで、これは」
「そやね・・・・・・。あれっ!?あそこに看板がある!!」

果たして、妻Mが指し示す方向には

ハーブガーデンドッグラン

の文字が刻まれた木の看板が垂れ下がっていた。
その下には「無料」の文字も見える。

「ここやったんか・・・・・・。確か雑誌には1日500円と書いてあったはずやけど」
「無料開放・・・というより、無料で放置することにしたみたい」
「せやけど、開いてるようには見えへんで」
「確かに。一応、開くかどうかだけ試してみよっか」

ところが。
残念ながら、ハーブガーデンの扉は意に反して開いてしまった。
こうなれば、中に入るしかない。
まるでお化け屋敷に乗り込むような心持ちで、二人と一匹は(自称)ハーブガーデンの内部へと潜入した。

広いといえば広いかもしれない

そこは、犬を模した大きな石造りのモニュメントを中心として広がる、空き地であった。
空き地の周囲には雑草と思しき植物が生えていた。
あるいは、これらの植物は(元)ハーブたちであったのかもしれない。
けれど、ハーブに疎い飼い主に、雑草とハーブの区別などつきようがなかった。

ハルさんはしきりに草木の匂いを嗅いでいたけれど、ハルさんの嗅覚では雑草とハーブの違いなど分かるわけもない。

そこは只の芝生エリアなんじゃね?

飼い主は呆然と立ち尽くしていた。
ある程度匂いを嗅ぎつくした(そして何も分からなかったであろう)ハルさんも、何もすることがない様子であった。
もちろん、他の犬がやってくる気配など微塵も感じられなかった。

ウチ、もうええわ

事態を打開するには、飼い主が一肌脱ぐしかない。

全速力

ハルさんがよそ見をしている間に、私は走り出した。
悲壮な覚悟を背負いながら、犬のモニュメントの周りをグルグル駆ける。

狩りですね!

ハルさんの表情を垣間見る余裕などなく、一心不乱に走り続けた。

私はハンター!!

やがて、なけなしの体力が底をつき、ハルさんに追いつかれた時には、息が完全にあがっており、体中から汗が噴き出していた。

なかなかいい獲物役でした

疲労困憊になりながら、ハーブガーデン(え?)ドッグランをあとにする。
隣接したプールを覗いてみると、そこもなかなかいい色合いに染まっていた。
キノコふうのオブジェとのコントラストなんか最高である。

悪夢の国?

あるいは、単にシーズンオフのせいでさびれているだけなのかもしれないが、旅行者の私たちにはよく分からない。

ネバーランド ドッグランを出たとき、時刻は午後1時を回っていた。
盛大に運動したおかげでお腹がすいた私たちは、旅先で最後の昼食を摂ることにする。

ハーブガーデン(ふう)ドッグランにほど近い場所に、犬連れOKの店を見つけたので、早速入ってみる。
けれど、平日にもかかわらず、満席だった。
ハルさんとともに、ベンチに座り順番を待つ。

ワタシもお腹がすきました

よっぽど人気のある店のようで、私たちが待っている間にも続々とお客さんがやってきた。

ちなみに、このお店の名前は「Epi」という。

約1匹カメラ目線の生き物がいます

屋根つきのテラスの下、犬連れでも釜で焼きたてのピザが味わえるとあって、犬連れ客の割合が非常に高い。

ピッツァ・カプリチョーザ(たぶん)

さすが人気店、ピザはボリュームもあって、味も抜群である。

さらに、ワンコ用ピザというメニューがあったので、ハルさんのために注文してみた。
けれど、やっぱり人気があるのか、ワンコ用のピザ生地がもうなくなったと言われてしまう。
まあ、それならしょうがないかと諦めていたところに、余っていた生地で小さめのピザを焼いたので、こちらをサービスしますと、なんと無料で持ってきていただいた。

ピッツァ・カーネ(適当)

驚くほど細やかなサービスに人気ぶりの一端を垣間見たような気がする。
早速、ハルさん用ピザを試食してみると、さすがに味は薄めだが、人間が食べても問題なく美味しい。
ハルさん(ごとき)に与えるのが惜しいくらいだ。

何を馬鹿なことを

ちょうど、隣にトイプーを連れて旅行に来ていたご夫婦と犬の話や旅の話をしていたところだったので、ハルさんとトイプーのベガちゃん(写真を撮り忘れた・・・・・・)にワンコ用ピザをあげてみる。

普段、フード以外の物を滅多に与えないというキュートなベガちゃんは、かなりの時間を費やしてピザを食べきっていたが、ハルさんは例のごとく丸呑みだった。(恥ずかしい)

その後、お返し(?)にベガちゃんの飼い主さんから季節野菜のオーブン焼きを分けていただく。

我が物顔
(まるで自分たちが注文したように写真を撮る)

こちらも、野菜の旨みが十分に感じられ、非常に美味しい。
こうして、海老で鯛を釣った私たち(←恥を知れ)は、ベガちゃんの飼い主さんに別れを告げ、帰路へついた。

西へ西へと走る。

夕陽へ向かって走る

途中、何度かサービスエリアで休憩し、

暮れゆく空に捧げる

家に辿り着いたときには、夜もとっぷりと暮れていた。

こうして、今年の旅は終わった。

カップ酒を巡る旅が。

ゴ酒ンジャー!!(今はもうない)

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長々と続いた旅の話も、これでようやく終わりました。
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2007年10月09日

たびいぬが往く−偶蹄目、奇蹄目、熱い視線−(M)

さて最終日である。
さすがのヘクティーも疲労してきたのか、雲行きは怪しいままである。

ヘクティー劣勢

ところでコーギーといえば牛追い犬である。
今更ハルさんにそんな高尚な職業につくことを望んでいるわけではないが、とにかく牛追い犬のDNA(だけ)は持っているのだ。
そのDNAがすでに脂肪と食い気のなかに埋もれてしまっていたとしても、旅に出たなら牛と会わねばなるまい。
というわけで宿からすぐ近くの長門牧場へ向かう。
ちなみに牛は初対面ではない。去年も会っている。
そして、逃げている(涙)。

で、今回。
天気が悪くて涼しかったせいか、牛たちはとてもアクティブであった。

うしうしうしうし

その活動量は前回出会った牛の比ではない。
走る牛、飛びはねる牛、他の牛と闘う牛(←怖い)。

跳ね牛

牛とは案外活動的であることを、私はこの旅行で初めて知った。
しかもどういうわけか、ハルさんに集まってくる。

なにゆえコチラにいらっしゃる?

ハルさんに追われるような空気を察知したからか、ハルさんがこんな日に限って真っ赤な服を着ていたからか。
とにかくヤジ牛が続々と集まってくる。

「なんだアイツ」
「足みじけーな」
「アイツなんかヤな感じすんだけど」
「あ!オレも」
「イラッとするよな」
「するする」

ヤジ牛

と、牛たちが言っていたかどうかは定かではないが、とにかくハルさんはこの空気にすっかりビビっていた。
あとから聞いた話だが、夫も相当ビビっていたらしい。

あの積極性、棒を渡しただけの柵など簡単に突破してしまうのではないか。
あの意外性、本気で走れば結構速いのではないか。
あの大きさ、オレは勝てるのか。


実際に柵が壊れかけていた(←内側から破壊されているように見える)箇所はあったし、牛は結構速いだろうし、勝負を挑むのは根本的にどうかしている。
まあとにかく赤服を身に纏ったハルさんをとても心配していたようだ。

妻に対しても必死のテレパシー(早く離れろ)を送っていたらしい。
しかし牛が珍しく、おまけに近くに寄ってきてくれたものだから、ウキウキしげしげと牛を見ていたワタクシ、残念ながらかすかな電波も感じられなかった。

このあともう少しヤジ牛増えました

その後、ヤジ牛に続いてヤジ馬にもメンチを切られた(ガンを飛ばされた)ハルさんはすごすごと牛馬エリアをあとにする。

とにかくみんなが怒っている(ように見える)

ここは何のための場所ですか?

このままではハルさんがあまりに不憫である。
お隣の広い草地でハルさんを放牧する。

イヤッホー!!

ようやく牛馬ショックから立ち直ったハルさんは楽しそうに駆けずり回っていた。

やっぱりこうでなくっちゃ

そして謎の物体の上で記念撮影をし、

天気が良ければいい感じ?

干草の上?
(引きの写真だとこんな感じ)

飼い主はソフトクリームを食べ(夫が)、牛乳を飲み(妻が)、

今度こそ地元の牛乳

満足して長門牧場をあとにする。

ハルさんも満足

けれど、まだ時刻はお昼を回っていなかった。
何処かでお昼を食べる前に、もう一箇所くらい寄り道できそうである。
俄然張り切りだした夫が、しばらく無言で情報誌を見つめたあと、「ここなんかどう?」と提案してきた。

なかなか素敵なネーミングの場所だった。
雑誌に掲載されていた写真も素敵であった。
「おぉ。いいんじゃね?」
このとき、二つ返事で即答したことを、私は今でも後悔している。

つづく。

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2007年10月05日

たびいぬが往く−赤煉瓦、狩る側、狩られる側−(Y)

この日の宿は車山高原に位置する「オーベルジュ赤煉瓦」。

宿の周辺までうっすらと霧に包まれており、周囲の状況が全く分からない中、部屋に荷物を置き、とりあえず食堂へと向かう。

ランプの形が独特です
※この写真は夕食後、誰もいないときに撮影したものです。

ハルさんを連れて食堂へ入ると、この日は平日にも関わらず、殆どの席が埋まっていた。
犬連れ可の宿がそれほど多くないせいもあるだろうが、やはり人気のある宿ということなのだろう。

席について、周囲のテーブルを見回してみる。
案の定、全てのテーブルの下にも犬の姿があったが、どの犬も本当に大人しかった。
時折、たくさんの犬が集まっている場所であることを忘れてしまうくらい、ゆっくりと落ち着いて食事を摂ることができた。

まずはオードブル。

ボリューム満点

野菜がとにかく美味しい。
アスパラ以外は宿の近辺で採れた野菜ということだった。
野菜高原地帯で採れた野菜の旨さは格別である。
続いて出されたコーンスープもびっくりするくらい甘くて思わず頬が緩んだ。

激ウマ

ついついお酒も進み、最後にステーキが出てきた時にはワインボトルを追加してしまう。

また肉です

このステーキ、わさび醤油でいただくのがポイントだそうで、この日は、わさび農園に始まり、正にわさびづくしの一日だった。

もちろん、わさびを食せないハルさんにとっては全く興味のない話題である。
抗議の視線を飼い主に浴びせるのかと思いきや、旅の疲れが出たのだろうか、テーブルの下で眠りこけていた。

食後のデザートをコーヒーを楽しみ、ハルさんを起こして食堂を後にする。
すると、食堂の隣の談話室(のような場所)で他の飼い主さんたちが話をしているのを見つけたので、ハルさんを連れてお邪魔する。

そこにいたのは、黒いトイプーちゃんとアプリコットのトイプーちゃんであった。(名前を忘れてしまった・・・)

平和な光景

どちらもハルさんの大好きなトイプーちゃんだったが、まだ眠いのか、ハルさんはやる気なく寝転がり、他の飼い主さんに撫でられるがままであった。
トイプーちゃんたちは、

「このコーギー、覇気が無いわね。きっとヘタレなんだわ」

と思ったことだろう。

この夜までは・・・・・・。

翌日。

またまた夜の間に降っていた雨(これで3日連続の夜雨だ)も朝になると上がっており、ハルさんの体力も回復したようだ。

さ、今日もやるわよ

この日も静かな食堂で朝食を摂り、

朝食も美味しかった

宿を出発・・・・・・する前に、昨日は暗くて分からなかった宿の周囲を見てみると、素敵なテラスとドッグランが併設されていることが分かった。

景色も抜群です

早速、ハルさんを連れてドッグランへと乗り込む。
地面にはウッドチップが敷かれており、いかにも走りやすそうだ。

やる気のケツ

充電完了したハルさんがウッドチップを巻き上げ、上機嫌で無駄走りをしていると、

無駄無駄無駄!

そこへ、昨日、談話室で出会ったアプリコットのトイプーちゃんがやってきた。

「アラ。昨日のヘタレコーギーじゃない」

と思った(のかどうか定かではないが)、一瞬の後。

元(自称)ヅカの暴走王。
21世紀の悪女。
女フードファイター・ギャル春。(←なんか違う)

数々の異名を持つハルさんがついに動いた。
まるで女豹のように、トイプー狩りを始めたのである。

狙いを定める女豹

いつもは狩られ屋専門のハルさんであるが、このトイプーちゃんなら気がよさそうだし、年下だし、狩れる要素が揃っていると思ったのだろうか。
嬉しそうにトイプーを狩るハルさんの姿がそこにはあった。

私が狩れるなんて!

ハルさんの狩猟シーンが見られるなんて非常に稀なことであるし、トイプーちゃんの飼い主さんが嫌そうでなかったこともあり、しばらく見守っていたのだが、結局、トイプーちゃんが心を開いてくれることはなかった。

実らない愛

ハルさんのトイプー愛はまたもや片思いで終わったのである。
よく相手をしてくれたトイプーちゃんの飼い主さんに礼を言い、ドッグランを後にして、宿を出る。
出掛けには宿の方からハルさんのためのオヤツまでいただいた。
設備が整っているうえに、宿の内装も凝っており、居心地よく過ごすことができたと思う。

たびいぬの旅が、ようやく最終日を迎えた。

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嗚呼、調子に乗って狩りすぎたのかもしれません。
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2007年10月03日

たびいぬが往く−ハッピー、ヒートアップ、ミュージアム−(Y)

果たして犬が入園出来るのか、(ほんの少し)不安に思っていた大王わさび農園であったが、園内には意外と犬連れの方が多かった。

そんなワンコの一匹

その中でも驚いたのは、ハルさんを連れてテクテクと数十メートル歩いたとき、見知らぬおっちゃん(恐らく観光客)が我々をビシッと指差して言い放ったひと言。

「この犬、さっきから3匹連続やで!!」(←脳内で長野県の言葉に変換してください)

おっちゃん(←誰?)が、思わずそう漏らしてもらうほど、この日はコギさんが数多く入園していたようである。

そこで私たちが、清流に包まれて育むわさびを眺めつつ、コギさんの存在を探していたところ、何と運よく一匹のコギさんと出会うことが出来た。

実はハルさんより小柄

このコギさんの名前は「ハッピー」ちゃん。
ハルさんとは約一月違いの、いわゆる「オナイ」というやつである。

このハッピーちゃんは、たびいぬハルさんとは違い地元のコギさんで、まあいわゆる「ジモッティ」である。(←いわゆるが多い)
ハルさんも久しぶりの同族との出会いに喜び勇んで駆け回る・・・・・・と思いきや、しばしの間、フンフンと匂いを嗅ぎ合った後は、お互いに相手の飼い主さんに愛想を振りまき始めた。結局、犬同士の交流は見られなかった。

しかし、お互いに関心を抱かないフリ(きっと気にはなっているはず)をすることで無用なトラブルを避けようとする知恵なのかもしれない。
ハルさんもハッピーちゃんも、もういい年をしたオトナのオンナなのだ。クールに挨拶を交わすだけでお互いに落ち着けることも、成長の証と考えることだって出来るかもしれない。

もちろん、単に暑かっただけという噂もあるが・・・・・・。

それは関係ないんじゃね?

最後に二匹並べて記念写真を撮らせていただき、ハッピーちゃんとお別れする。

オヤツなしで並ぶことが出来るのもオトナのオンナだからこそ?

吠えもせず、暴れもせず、人懐っこくって、非常に可愛らしいコギさんであった。

その後、帰る際に、目論見どおり生わさびを買って帰る。
さらに、大王わさび園にはなかったけれど、道すがら立ち寄ったみやげ物屋さんではチューブ入りの生わさび(!)を買うこともできた。
さすがは安曇野。

水が綺麗です

ビバ長野県!

気分がヒートアップしてきたため、そろそろ宿へと向かう時間が差し迫っていたにも関わらず、妻と愛犬の反対も押し切って寄り道してしまう。実はもうひとつ、前々から行きたいと思っていた所があったのだ。

ぐるぐると山道を登ること数十分。

そこは松本盆地を一望できる美ヶ原高原!

の、はずだったが。

何だコレ

空は凶暴なほどの黒雲が次から次へと湧いており、視界はすこぶる悪い。雨が降っていないのが不思議なくらいの天気だ。
しかも、物凄く寒い。
慌てて長袖のシャツを着込んだが、それでもなお、じっとしていられないほどの冷気が襲ってくる。
標高2000mを超える高地がいかに過酷な場所であるかを、身を持って体験したハル一家(特に半パン半袖で降り立った私)であった。

ここ美ヶ原高原には山上に美術館が開かれており、野外の彫刻群エリアには犬も一緒に入れるという情報を入手していたのだが、やっぱりというかなんというか、辿り着いた時には既に閉館していた(涙)。

下に見えるのが屋外美術館です

呆然と立ちすくむ妻Mと愛犬Hから無言の抗議を受ける。

そらフンチョスも出るっちゅーねん

こ、こうなったら、とにかく天気だけでも晴れてくれ!
素晴らしい景色を見せてくれ!!

ぬぅおおおおっっ!!!

ありったけの力を込め、気圧を上げる。(←大嘘)

すると。

ほんの少し、晴れ間がのぞいた!!

これが晴れ男の力だ!

のも束の間、山上から吹き降ろされる霧のような雲に、青い空はかき消されてしまったのであった(涙)。

すっかり意気消沈し、宿へと車を走らせる。

途中、前が見えないほどの霧に襲われ、ほうほうの体で宿に辿り着いた時、辺りはすでに暗闇に覆われていた。

つづく。

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2007年10月01日

たびいぬが往く−風穴、ボルゾイ、生わさび−(M)

さて。
高山でワンワン(大)たちと別れ、次の目的地へ向かう。

実はこれからまだ東進が続き、長野県に突入してしまう予定である。
今回の旅行は毎日の移動時間が長く、ハルさんもなかなかゆっくり開放感に浸っていられない。
少し可哀相な気がするが、まあ仕方がない。途中の道の駅で少し休憩しつつ、長い道のりを頑張ってもらうことにする。

シマリのない顔です

道の駅の名前は「風穴の里」という。
なかなか風流な名前であるが、実はここ、ワンコ連れにはちょっと嬉しい場所がある。
建物の陰になる場所にいくつかテーブルがセットされているのだが、そこに一緒にリードを引っ掛ける場所が付いているのだ。
ワンコの人形が付いていたりして、なかなかイイ感じである。

外だからもちろんワンコOKなのだろうが、こんな風にワンコウェルカムなモノを見ると、なんだか嬉しくなる。
なんだかんだでワンコ連れは外に出ると結構気を使うのだ。

というわけで、ハルさんを引っ掛けてみる。素敵だ。

モデルっぽくキメてみたつもりがリードを踏んづけている

日陰で涼しいので、ここで少しゆっくりしていくことにする。

「何か飲もか」
「うん」
「妻、何がいい?」
「ん〜、さっき美味しそうな牛乳売ってるのを見た。夫は?」
「わからん。店行ってから考える」
「じゃあ牛乳買ってきて」
「うん」
「ありがと。よろしゅー」

と店に入っていった夫は、こんなモノを買ってきた。

紙パックですか

夫はとくに欲しいものがなかったらしいので、二人で交互に飲んでみる。確かになかなか濃厚で美味しい。
しかし、ワタクシは筋金入りの牛乳フリークである。
おもむろにパックを裏返し、夫に突きつける。

「……ねぇ夫」
「ん?」
「これ、製造者の住所、東京都日本橋になってるんですけど」
「ぬぉっ!?ホンマや!!」
「せっかく長野県なのに」
「……あー」
「あっちに美味しそうなビン入り売ってたのに」
「……あー」
「飲むヨーグルトもあったのに」

「まぢで!?」

……なぜそのタイミングで食いつくのか。

それは夫が筋金入りのヨーグルトフリークだからだ。
夫婦の話し合いより食い気のほうが重要らしい。
こういうところが、きっとハルさんに強い影響を及ぼしたのだろう。

私は牛乳でもヨーグルトでも紙パックでもビンでもイケる口です

その後。

「夫……飲むヨーグルト、買ってきたら?」
「もう牛乳飲んだし、いらん……妻、牛乳買ってきーや」
「……もう牛乳飲んだし、いらん……」
「そーやんな……」

というわけで二人揃って少しションボリしながら「風穴の里」をあとにする。

さ、行きましょうか

山を下って松本平に差し掛かった頃、時刻もお昼を回ったので、ドッグカフェSHERRY'S CAFEでランチを食べることにする。

サンマのホニャホニャ(←覚えていない)

オープンしてまもないお店だったようで、新しい木の匂いがして、なかなかゆっくりと食事をすることができた。

ミートドリア!(←珍しく覚えていたので前のめり)

この店の看板犬はなんとボルゾイである。しかも2匹。
さすがに店内に居座るにはあまりにも巨大なのだろう、店の裏側に拵えられた大きな小屋の中に暮らしていた。
ハルさんとも会わせてみたが、(ハルさん的に)想像を絶する足の長さと顔の長さに(←失礼)ハルさんはドン引きであった。

同じ犬とは思えません

しかしとてもフレンドリーなワンコたちで、ハルさんもへっぺり腰ながら何とか挨拶を交わすことができたようだ。

顔、出すぎです

大きい犬好きのワタクシは思う存分撫でさせていただき、大満足でカフェを後にする。

ワタシには大きすぎました

続いてやってきたのは、大王わさび農場。
その名のとおり、わさびを栽培している農園である。

川が綺麗です

実はワタクシ、わさびが食べられない。
そのことで、大人になってからというもの、いろんな人にいろんなことを言われた。おかげで寿司にチッと入っているわさびくらいなら、平気な顔で食べられるようになったが、この年になっても食べられないということは、もう根本的に相性が悪いのだと思う。
そんなわけで、この場所に特に興味はなかったのだが、わさびフリーク(←フリーク多い)の夫がどうしても行きたいと主張するので、旅の行程に組み込まれたのだ。

夫はわさびにこだわりがあるらしく、スーパーなどで売られているチューブのわさびに常日頃から不満を抱いていたようだ。
ムリヤリに辛い感じが、どうにもお気に召さないらしい。よくわからないが。

なので今回の旅行ではなんとしても生わさびをゲットしたいのだという。

「でもココ……ワンコOKなん?」
「知らん」
「知らんって……もう着いてしもたがな」
「犬がダメでもいいんです。わさびが買えれば」
「……(どんだけ〜)……」

ドキドキしながら案内所へ行ってみると、店内はダメだが敷地内はウロウロしてもいいですよ、とのことであった。
実際、ここはとても広い。

わさびは食べれないわね

一周するだけでも十分な散歩コースである。
眼下に見えるわさび農場は澄んだ水がキラキラと日の光を反射してとても綺麗だ。

黒幕の下はこんな感じ

美しい水の中、整然とならぶわさびは、食べられない私でも「あ、おいしそう」と思ってしまう。

そしてここで、ようやくハルさんは旅の醍醐味(?)である「コギとの出会い」を果たしたのであった。

今回は尻の先まで

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引っ張るほどの話ではないのですが、いい加減長いのでこのあたりで一旦終了です(←力尽きたともいう)。
気力も体力も不足ぎみの飼い主に喝!のテチを。
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そして、わさび農園という、犬にとっては不毛な土地(どうせ食べられない)を歩かされたハルさんにはお疲れ様のクリックを。
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posted by 飼い主YとM at 01:21| 兵庫 ????| Comment(8) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行

2007年09月27日

たびいぬが往く−天候、逃亡、高感度リモコン−(Y)

天候、それは、犬連れ旅行の命運を決定してしまう旅の要素である。
現実的に、犬を連れて入ることのできる建物は殆んど存在しないので、旅先で雨が降られると完全に身動きが取れなくなってしまう。
こうなると、飼い主に残された道は、意を決して愛犬もろとも雨中に身を投げ出すことだけだ。(合掌)

これは涎雨

わんわんパラダイスに宿泊した日、テレビの天気予報は、明日が雨であることを告げていた。
それどころか、予報がなされるよりも早く、既に夜空はすっぽりと雨雲に覆われていた。
窓の外を見やると、暗闇を照らすホテルの明かりに雨筋がいくつも浮かんでいた。
もはや、明日は覚悟を決めて雨中にダイブするしかないのか。
悲壮な覚悟を固めつつ、こんなことを聞かれても答えに困るだろうな、と思いながら、妻Mにありきたりな問いを投げかけてみる。

「なあ、明日雨やって。どないしよか?」

「えー?それって天気予報が言うてるだけやんね。
 大丈夫!夫がいる限り雨なんて降らへんって」

へ・・・・・・?
唖然とする私に向かい、妻Mは自信たっぷりに続ける。

「今日の白川郷やって天気悪いと言われとったけど、暑いくらいの陽気やったやんか」

シャコタンに暑さは厳禁です

「全然大丈夫やって。私、夫の気圧を上げる力だけは信じてるから」

何だか褒められているのかどうか分からなくなってきたので、問うてみる。

だけって・・・。それだけ?他にないん!?」

「い、いやー。そ、そ、そんなことないと思うよ。他にはえっと・・・・・・(ゴニョゴニョ)」

結局、ヘクトパスカル以外に妻Mがリスペクト(←ややこしい)していることは何一つ聞けずじまいであった。
ただただ、私が持つ気圧の力(なんだそれ)に全幅の信頼を置いていることが判明したのみであった。

まあ、考えても栓のないことでもあるし、いい加減にアルコールが回ってきたため、眠ることにした。

雨音を聞きながら。


翌朝。

ハルさんも結構よく寝ていたようだ

やはり、というべきなのだろうか。

外は快晴だった。

さすがヘクティー"

我ながら自分の力が恐ろしい。(←馬鹿丸出し)

朝食を摂った後、昨日は暗くてよく分からなかったホテルの周囲を散策してみる。

すると、敷地内に川が流れていた。

イヤッホー!

短足族のハルさんでも余裕で入れそうな、浅い川である。
さすがに上流だけあって流れは速かったけれど、ハルさんは喜び勇んで入水していた。

あら、浅いじゃない

天気がよいだけに気持ちよさそうである。
我慢できなくなった飼い主も、事前にしっかり準備しておいた川遊び用の靴を履いて入水してみた。

ところが、この水が物凄く冷たいのである。
5秒とは浸かっていられないほど、氷のように冷たい。
さすがは、山深い場所を流れる川だけのことはある。

けれど、ハルさんは毛皮を身にまとっているからなのか、水の冷たさをあまり苦にしない様子だ。

きゃっほう

何だか悔しいので、またまたハルさんを罠に嵌めようと、上流へ、上流へとハルさんをおびき寄せる。

その手には乗らないわ

けれど、過去にあんなことや、こんなことがあって、水際における飼い主への不信感を募らせるハルさんは、なかなかノッてこない。

不穏な空気を察知したのか、私が近づくと逃げ出した。

手の動きからして怪しい

逃げて、

ヤバイヤバイ

逃げて、

ヤバイヤバイヤバイ

逃げる。

食べました!(ソフトバンク風)

けれど、結局捕まる。

運命って残酷

残念ながら、ハルさんのケツ毛には高感度のリモコンが装着されているため、飼い主の「フセ!」とか「マテ!」には従わざるを得ないのだ。
嗚呼、可哀相に。(←心がこもってない)

けれど、これからも続く旅行の最中、ハルさんと微妙な距離感を抱えて一緒に行動するのも何だか気が引ける。
そんなわけで、ごくごく浅場にハルさんをそっとおろしてあげることにした。

けれど、もう既に不信感で一杯のハルさんは慌てて逃げ出した。

やっぱり信用できないの

まあ、それもこれも飼い主の今までの悪行のせいなのだろう。

最後は、まるでご機嫌取りをするように川で一緒に遊び、川を出る。

仮面主従

川を上がると、敷地内にドッグランまで存在していたことが判明したので、早速行ってみる。

よく考えてみれば、今回の旅行3日目にして、ハルさんが広い場所でノーリードになったのは初めてのことである。
ドッグラン内には思いのほかたくさんの犬がいて、その殆どがハルさんの許容量を超えるレトリーバー系の犬たちであった。

しかし。
近頃、ヅカのドッグランではあまり走らなくなったハルさんであるが、このときよっぽど「走り」に飢えていたのか、(ハルさんにしてみれば)大きな犬たちを気にすることなく、暴走していた。

飼い主も驚く暴走っぷり

近年では稀に見るくらいのハルさんの暴走ぶりに、他の飼い主さん達からも驚嘆の声が上がっていた。

楽しそうです

もちろん、当然の帰結として、ラブラドールに狩られていたけれど。

風になる!

「そんなの関係ねえ」とばかりに、その暴走っぷりはしばらくの間続いた。

まだまだ!

ドッグラン内には木陰も多く、気のいい犬たちばかりであったので、私たちもハルさんも心地よく過ごすことができた。

御年14歳のパールちゃん

最後は、ホテルのエントランスで「いわゆる記念写真」を撮影し、わんわんパラダイスを後にする。

何だか愛犬みたいだ

旅、3日目が始まった。

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2007年09月24日

たびいぬが往く−茶番、おイタ、トレーニング−(Y)

結局、白川郷では犬連れの方を全く見かけることはなかった。
建物内に入ることが出来ないので、ここもやはり犬連れ旅に向いたところではないのだろう。
長浜とは異なり、酔っ払った人々に出会うこともなく、この日の宿泊場所へと向かう。

なお、白川郷では、道端の用水路の中を鱒が泳いでいる。

旨そう・・・

ここで一番感動したのは、郷を流れる水の清冽さであったように思う。
(鱒を食べたかっただけだろうという突っ込みは受けつけておりません)

ところで、本日の宿、「高山わんわんパラダイスホテル」に到着した頃には日もとっぷりと暮れていた。どうやら取るべきルートを誤ったらしい。えらい山道であった。

すでに第一回目の夕食が始まっていたので、とりあえずお風呂に入ることにする。
ここのお風呂はホテル本館とは少し離れた場所に位置しているが、全て家族風呂である。
夫婦で旅行する際、浴場が男湯、女湯と別れていないのはとてもありがたい。
さらに、追加料金を支払えば、犬も一緒に入ることができるという。

ハルさんは大して汚れていなかったのだが、「せっかくだから」「記念に」という理由をつけて一緒に入ることにした。(ホテル側の戦略にはめられたともいう)

浴場はかなり広く、4人程度の家族が使うのに丁度いいサイズだった。
シャンプーが嫌いなハルさんは、「いつ洗われるのだろう?」という恐怖に怯えながら浴場の中をウロウロしていた。

逃げ場がないんじゃ!?

ハルさんが面白くなさそうなので、

「ハルちゃーん!助けてー!!溺れるーぅ!!!」

ブクブク・・・・・・。

と、浴槽で溺れるフリをしてみたところ、さすが忠犬ハルさんである。
飼い主を助けに来るフリをしてくれた。

もういい加減にしてよね
崩壊寸前のカップルか。

そんな茶番劇を経て、部屋に戻ると、夕食の時間がやってきていた。

さすがはホテルだけあって、レストランは立派なものである。

土曜日だけあってほぼ満席だった

雰囲気はバツグン、食事も豪華である。

燦然と輝く飛騨牛

「せっかくだから」「記念に」というわけで、ハルさんにもササミボイルなどをサービスしてみた。

目がもうイッてます

そして、ここは飛騨高山。

白川郷にも

飛騨といえば飛騨牛、飛騨牛といえば飛騨(当たり前だ)である。
まずは飛騨牛のしゃぶしゃぶ、飛騨牛の造りを堪能したのち、いよいよ、飛騨牛のステーキが運ばれてきた。

旅とは食べることです

飛騨牛のしゃぶしゃぶだけだと思っていた妻Mは「ええっ!?ステーキまで?」と驚愕の表情を見せる。
それはそうだろう。
何しろ、こっそりと「飛騨牛の石焼ステーキコース」を注文していたのだから。(悪)
旅行計画を私(Y)に一任している以上、これくらいのおイタ(可愛く言ってみた)は許していただきたいものである。

石の上で焼いてみる

それはともかく、想像していた以上に飛騨牛は美味しかった。
早々にササミボイルを平らげ、ジト目で飼い主のほうを見やるハルさんがどう思っていたのかは知らないが、飼い主二人はたらふくビールも飲んで、大満足の夕食であった。

飛騨牛と鳥ササミでは差がありすぎと違いますのん

丸々と膨れたお腹を抱えてレストランを出る。
すると、客室へ戻る途中に、「愛犬サロン」と書かれた大きな扉を発見した。
扉の大きさから察するに、中はかなり広そうだ。
この中はノーリードOKとも書かれている。

すると、この扉の中には室内ドッグランが広がっており、たくさんの犬たちがワフワフと戯れているということだろうか。
こ、これこそ、まさにワンワンパラダイスではないか。

ほろ酔いの飼い主たちは、期待感に胸を膨らませ、

「カモン!ワンワン!!」

と勢いよく扉を開け放った。

が。
中には誰もいなかった。
人っ子ひとり、犬っこいっぴきいなかった。

ガラン。

ハルさんのテチテチという足音が、空しく部屋中にこだまするのみだった。

と、そのとき、扉がギギッと音を立てて開いた。

いよいよ、ワンワンがやってきたのか!?

と、期待感に満ちて扉のほうを見やると、親子連れ(のみ)だった。

それでも、ハルさんは淋しかったのか、親子連れのほうへと駆け寄り愛想を振りまいていた。

どこの犬?

小さな子供のほうも、ハルさんのことを大層気にいってくれたらしく、ハルさんに「ゴロン」をさせたり、

ハイハイ何でもしますよ

インリンのトレーニングを行ったりしていた。(私たちは何も言ってませんよ!念のため)

これは・・・どうだろう?

すっかり打ち解けたハルさんと子供は、まるで昔からずっと一緒に暮らしていたのかのように寄り添っていた。

ええ顔してます

しまいには、

「○○○(この子が飼っている犬)よりハルちゃんのほうがいい・・・・・・」

と、ボソッとつぶやいていた、なんてことは、言わない約束だ。(←言うとる!)

その後、部屋に帰り、テレビをつけて天気予報を見てみたところ、明日は雨との予報だった。

雨か・・・・・・。

ふと外の音に耳を澄ますと、シトシトと雨の降る音がしていた。

つづく。

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いよいよ雲行きが怪しくなってきた"たびいぬ”紀行ですが、まだまだ続きます。よろしかったらどうかクリックを。
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2007年09月21日

たびいぬが往く−山内、遺産、ダンプカー−(M)

というわけで翌日。
目覚めた夫が気圧を上げはじめたせいか、空は徐々に明るくなっていく。

実は今回の旅行は、毎日違う県で遊ぶことになっている。
なぜといわれると困るのだが、そんなわけで今日も結構な距離を移動する。

途中、北陸道の徳光ハイウェイオアシスに立ち寄る。

ハルあざらしさんの故郷、海がもうすぐだ

ここは以前、社員旅行で訪れたことがある場所である。
誰にそそのかされたのか、荒波に浮かぶ堤防に立つ社長と部長の姿を遠くから見ていた平社員たちは、

「山内くん、いったいどういうことかね」
「川田社長、僕はもうあなたの言うなりにはならない」
「家族はどうなってもいいのか」
「……僕は家族に胸を張っていたい。今から警察に行きます」
「山内……貴様……」

ボグッ(←鈍器で殴られた音)
ザッパーン(←海に落ちた音)

と、勝手にサスペンス劇場を作り上げて楽しんでいた。
まあ良い思い出である。

ふるさとへ向かうハルあざらし

その後、到着した先は白川郷である。
合掌造り集落として、ユネスコの世界遺産に登録されているところだ。

何だか暑いね

この日は土曜日ということもあって、結構なにぎわいであった。
天気もすっかり快晴である。というか晴れすぎて暑い。
なので夫に、

「ヘクティー(←ヘクトパスカルの愛称)、暑い。もう少し気圧落としてくんない?」

というと、またイヤそうな顔をして撮影に行ってしまった。

収穫目前の田が広がる

白川郷は世界遺産だけあって、ひとつひとつの家が大切に保存されており、
周囲ののどかな風景ともあいまって、とても風情がある。
あたりを眺めながら歩いているだけで、とてもゆったりした気持ちになる。
ただ、さすが世界に名だたる観光地だけあって

ココ!ココにカメラ置いて!
それからソコに座って!さあ、記念撮影を!!

行きかう人々に目を向けるボボさん(涙)

みたいなベンチとカメラ置き台があったりして、少し前のめっている場所もある。油断ならない。

ところで時刻はそろそろお昼どき、気分は俄然おそばである。
というわけで白川村で唯一ワンコを連れて食事ができると(夫が)いう店へ向かう。

しかし悲しいことに、外のテーブル横には猫がいた。
猫はとても機嫌が悪そうだった。
そしてあきらかに能天気な顔をした足の短い生き物を警戒していた。
彼(あるいは彼女)が看板猫かどうかは謎のままだったが、
とにかく私たち(主にハルさん)を歓迎するつもりは微塵もなく、
さらには外のテーブル横の居場所を譲る気もないようであった。
しかしワンコ連れは外でしか食事を許されていない。
すごすごと立ち去るしかないのであった。

私の蕎麦は?

途方に暮れつつも、とにかく一通り巡ってみようと歩いていると、
奥まったところにつり橋が見えた。
川を挟んだ反対側にも白川郷が広がっているらしい。白川郷、案外広い。

ハルさんと一緒につり橋を渡る。
人が多すぎるせいか、はしゃぐ大きな子供がいるのか、とにかくとても揺れる。
後で写真を見てみると、やっぱり人が渡りすぎなのであった。

100人乗ってもダイジョウブ!

ハルさんはつり橋の高さも揺れも、あまり気にならないようであった。
シャコタンの彼女は、いつもほぼ二次元の世界に生きている。案外、高低差は認識できないのかもしれない。
しかし、高さも揺れもとても気になる過敏な3D対応(?)の夫は、

「ちょっ、い今、話しかけんといて」

と言ったきり、すっかり無口になっていた。

ハルさんのシャコタンが羨ましかったようだ

しかしまあがんばってつり橋を渡ったかいがあって、川の向こう岸に、外でも食事できる店を発見する。

日よけの草越しに合掌造りを

暑さと空腹でクタクタになっていたので、この幸運はとてもありがたい。

ようやくめぐり合えた蕎麦

涼しい日陰で念願の手打ちそばを心ゆくまで味わう。

だから、私の蕎麦は?

その後、傾斜した川原の芝生でハルさんともども少し遊び、

ちょっと遊ぼうか

ハルさんのダンプカーみたいな勇姿を見て満足し、

これは犬じゃない

白川郷を後にする。

私のゴハンは?

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posted by 飼い主YとM at 01:47| 兵庫 | Comment(13) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行

2007年09月19日

たびいぬが往く−気圧、荒波、火いら寿−(M)

色々あった長浜を後にし、福井県へ突入する。
だんだん雲行きが怪しくなってくるが、そこは夫が持ち前の晴れ男っぷりを発揮してそれなりに持ちこたえてくれるだろうとタカをくくる(←楽観的)。

ということで海沿いの道を走り、MAREというカフェに入る。
この店は抜群のロケーションにあり、雰囲気も開放的でどこか南のリゾートのようだ。
こちらはテラス席のみワンコOKである。店の方がテーブルを運んでくれた。
テラス席の床はまだ濡れている。先ほどまで雨が降っていたようである。

出張るハルさん

夫の天気男力はたいしたものだ。
彼の周囲は常に気圧が高いのかもしれない。
賛嘆と敬意を込めて

「ミスタ・ヘクトパスカル?」

と呼んでみたが、
夫はイヤそうな顔で、カメラを持って景色の撮影に行ってしまった。
ハルさんが「ボボやボボや」としつこく呼ばれて、玄関のほうへ立ち去る時の表情に似ていた。

荒波リゾート

ここはとにかく眺めが素晴らしい。
ウッドデッキが組まれた南国リゾート的テラス席からは台風直下の日本海の荒波が見える。

ドドーン、ザッパーン

遠くには松の木が見え、振り返ると断崖がある。

背後は切り立っている。日本海だけに

オホーツク海に水上コテージが浮いているような、なんともいえない複雑な様相ではあるが、海から吹く風は心地よく、ケーキを食べて暖かいコーヒーを飲んでいると、とても穏やかな気持ちになる。

コーヒーシフォンもおいしかったです

その後、本日の宿へ到着する。
意外にもMAREから数百メートルのところにあり、目的地を入力した途端、カーナビが「ルートガイドをを終了します」と言った。

こちらは純和風のお宿である。
ワンコ歓迎というわけではなく、基本的なしつけができていればまあ一緒でもいいですよ、というスタンスらしい。
そのわりには、だいたいの場所に犬を連れて行くことができたりする。食事も一緒に取ることができる。
まあ平日で宿泊客が私たちだけだったからかもしれない。そこのところはよくわからない。

後ろ足がくつろいでいる

食事の部屋では、ハルさんはカフェマット(的なバスタオル)の上に係留される。ヨダレ防止のためである。
人が食べているのを見ても、別にヨダレは出ないのだが、ウロウロされても困るのでまあ一応つないでおく。

なんでですのん

まずは日本酒が運ばれてくる。
いきなり有無をいわさず日本酒が運ばれてくるとは、なかなか珍しいお宿だと思っていると、

「こちらの日本酒付コースはお得なんですよ。
 このお酒、なかなか手に入らない代物ですしね」


「ひいらず」と読みます

と女将さんが言うではないか。

「ぅえっ!?」

動揺して変な声が出てしまった。

アンタどういうことですのん高いんちゃいますのんコレ!?

と夫を見ると、

「付け足してみました(テヘ)」

という答えが笑顔とともに帰ってきた。

旅行計画はいつも夫に任せて(丸投げして)いるので、文句を言える筋合いではない。
が、会計時にとても焦るので、できれば事前に知らせておいて欲しいと思う。

たいへん美味しゅうございました(岸朝子風)

それにしてもこの日本酒と前菜たちのハーモニーといったらなかった。
口内でこれほどの調和が起こるなど、そうそうあることではない。
塩で日本酒を飲む人がいるというが、塩分と日本酒は切っても切れない関係にあるというのは本当だ、としみじみ思う。
あまりのことにクイクイと日本酒を飲んでしまう。旅行一日目から、危険な兆候であった。

いいかげんにしてくんない?

途中でハルさんのジト目(どんだけ飲むねん)に気がつかなければ、初日で旅行を台無しにしてしまうところであった。
その後は我に返ってビールを飲み(←ほんとうに我に返ったのかという質問は現在受け付けておりません)、新鮮な海の幸を存分に堪能して、幸せな眠りに落ちる。

夜の間はずっと雨が降っていた。
さすがの夫も、寝ている間は気圧を上げる機能が止まるようである。

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この宿でも、その猫をかぶったような愛想のよさで女将さんに可愛がられたハルさんに祝福のクリックを。
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posted by 飼い主YとM at 02:13| 兵庫 ????| Comment(8) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行

2007年09月16日

たびいぬが往く−伊吹、奥様、九州男児−(Y)

門をくぐり、石畳の道をしばらく歩くと、

門を内側から撮る

そこには古い蔵を改装し、素敵なテラス席を設けた、レストランがあった。
グリーンで覆われた屋根は緩やかに日の光を遮り、心地よい風があたりを吹き抜けていた。

この手前にレストランの建物があります(建物を撮ってなかった・・・)

ここで、あまりお腹も空いていなかった私は「カレーライス」を注文する。
我ながら無難すぎるオーダーだと思うが、これからの旅の途中でカレーライスを食する機会がなさそうなので、大好きなものをとりあえず押さえておくことにした。

一方、妻Mはしばしの間、難しそうな顔でメニューとにらめっこしていた。
どうやら、私と同じく、大してお腹が空いてないようだった。
けれど、小腹を満たしてくれる軽食のようなものがメニューに見あたらない、そんな雰囲気を醸し出していた。

何を悩んでいるのやら

ほどなくして、妻Mは、意を決したようにメニューをパタンとテーブルに置き、オーダーをとりにきた店員さんに、こう言い放った。

「伊吹ハム」

ハム?ハムだけですか!?

ざわわ ざわわ と店員さんの心に呼応するかのように、周囲の葉っぱたちが揺れた。
ハルさんの大きな耳はピクッと動いていた。

「ハム食べるんやったら、ビールでも飲めば?」

ざわつく木の葉たちを鎮めようと、私は思わず口走っていた。
ハムだけ食べるなんて、あの時は非常識な気がしたのだけれど、今から思えば、周到な罠に誘い込まれていたような気がする。
いや、きっとそうに違いない。

「えー、そう?夫がそう言うなら飲もうかなー。メニューに地ビールって書いてあるし」

いつの間にか、妻Mの手には再びメニューが広げられていた。
どこからか、舌なめずりをする音が聞こえたような気がした。

けれど、不思議と、敗北感や失望感は湧いてこなかった。
車で出かけた際に、ついついお酒を飲んでしまう機会は私のほうが圧倒的に多いのだ。
そんなとき、妻Mはたいていの場合、運転を代わってくれる。
だからこそ、自発的にお酒が飲みたくなった折角の機会には、是非とも望みを叶えてあげてやりたいものだ。

手酌酒

ビール・・・・・・。

そんな殊勝な思いは、眼前に置かれた旨そうなビールの姿を目にした途端、どこかへ消えていったが、残り少ない理性がビールグラスを握ろうとする手を押し留めた。

3泊4日の犬連れ旅行のはずが、まだ初日の宿泊地にも到着しないうちにリタイア・・・
なんてことになったら、あまりにも情けない。
恥ずかしくて町を歩くことすらできない。

ううっ。ビール・・・(涙)

こうして、私は黙々とカレーライスを食べ、妻Mは悠然とビールを飲んでいた。
けれど、もはや只の「アテ」と化した伊吹ハムが思いのほか美味しかった(←1枚もらった)。
素朴な味わいだけれど、肉が本来持つ旨みを感じられる、そんな至極の一品だった。

そんな中、テーブルの下でお利口そうに(見せかけは重要だ)フセているハルさんの姿を見とめて、レストランを出入りする人たちは暖かい視線を送ってくれた。
犬の姿が珍しいからなのか、興味津々な人たちが多かった。

中には、近づいて撫でてくれる人もいた。
特に、二人連れの奥様―ずがそれはもう熱心にハルさんを可愛がってくれた。
名前を聞かれたので「ハルです」と答えると、

「ハルちゃーーん!」

と名前を連呼して撫で繰り回していただいた。

ハルさんも奥様―ずが大好きらしく、熱心に愛想を振りまいていた。
けれど、どうも奥様―ずのテンションが高すぎる、私はそんな違和感を覚えた。
最近、めっきりと人好きになったハルさんのテンションも、奥様の熱心な可愛がりっぷりにやや押され気味な様子であった。

どうしたのかしら?

しかし、その違和感の正体は結局分からないまま、奥様―ずはハルさんに手を振り振り去っていった。

程なくして食事を終えた私たち、ほろ酔いの妻Mと、撫でられまくってやや毛並みが乱れたハルさんと、素面の私(Y)も、共に店を出た。

すると、そこに団体旅行の一団とおぼしきおっちゃん達が近づいてきた。

「こんなところに犬がおるとー」
「おうおう、ほんとやー」

今ではあまり聞かれなくなったヒロシの言葉遣いとそっくりのおっちゃん達だった。
恐らく、九州から遠路遥々来たのだろう。

ハルさんは四方八方から伸ばされるおっちゃん達の手にひるむことなく飛び込み、愛想を振りまいていた。

ヒロシーずね!

「かわいいとー」
「ほんにー」

本当にこんな言葉遣いだったのか全く自信はないけれど、おっちゃん達もみんなハルさんを可愛がって撫でてくれた。
それにしても・・・・・・、見た目には九州男児ですたい!的でシャイそうな感じなのに、ハルさんに対する撫で回し方に迷いがない。

さあさあ撫でて撫でて

ふと、顔を見上げると、おっちゃん達の顔はみんな赤らんでいた。
隣には、赤らんだ顔をした妻Mがハルさんのリードを持っていた。

どうやら、この場で素面なのはハルさんと私だけのようであった。

おっちゃん達もどこかで昼間から引っ掛けてきたのだろう。
九州男児だからか。
いや、それではハルさんのリードを握っている某Mさんだって九州男児ということになる。
結婚してもう長いこと経つのに、今更そんなサプライズは欲しくない。

そうすると、レトロモダンを装う町並みが人々を惑わすということだろうか。
もしかしたら、長浜という町には人を(字面どおりの意味で)酔わせる魅力があるのかもしれない。

ご満悦

ふと辺りを見回すと、酒屋さんが目に入った。
一人だけ(この際ハルさんはカウントせず)素面なのも悔しいので、おっちゃん達と別れてから、地酒のワンカップを購入する。

不健康なモノを健康そうに撮る

そして、これを契機に、今回の旅行では行く先々で地酒のワンカップを購入することに決めた。
何らかのテーマがあると、旅に彩りが加えられる、そんな気がする・・・・・・。

そう思い、町を出ようとしたところ、街角にあるカフェから大きな声が飛んできた。

「ハルちゃーーーん!!」

声の主は、もちろん、先ほどの奥様―ずだった。
そして、再び奥様―ずの声を聞いた途端、心の奥にわだかまっていた違和感が、すうっと消えてなくなるのを感じた。

そう、奥様―ずのテンションは九州男子―ずのハイテンションと全く同じ種類のものだったのだ。

恐るべし長浜。

そこは、人を酔わせる町。

酒気帯犬?

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たびいぬ長浜編はこれにて終了です。
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2007年09月14日

たびいぬが往く−黒壁、鳥居、7つの傷−(Y)

名神高速から北陸道へと道をとり、しばらく走ると、豊臣秀吉がつくったといわれる町、長浜に到着する。

町の中心には黒壁スクエアと呼ばれる一帯が広がり、レトロモダンな雰囲気を漂わせている・・・。
さらには犬連れでもテラスで食事を摂れる店だってある・・・。
そんな情報に引き寄せられて、私たちはハルさんを連れて長浜の地へ降り立った。

ボボ尻が往く

確かに、町並みは統一された黒壁で統一されている・・・・・・ように見えるが、実は所々に黒壁でない店があったり、街路の上空には電線が行きかっていたりと、例えば倉敷の美観地区と比べると、隙だらけの感が否めない。

右奥の店からは好きにやっている感が漂う

けれど、無理に背伸びをしていないおかげで、庶民的な匂いがプンプンと漂う町の雰囲気は決して悪くない、と思う。
壁に大きな立ちション禁止マークの鳥居が貼りつけられていたって、

確かにそういうポイントなのかもしれない

商店街にケンシロウの巨大な人形が仁王立ちしていたって、別にいいんじゃないかとも思う。

ケンシロウの奥に立っているのはなんだろう?

ハルさんは何故かケンシロウに興味津々だった。
寡黙でなマッチョな漢が好きなのかもしれない。
好きな男性のタイプは?と聞かれると「角田信明」と答える可能性だって否定できない。
(歌、上手くてびっくり)

ケンシロウも案外歌えるのかもしれない

まあ、それはともかく。
この日は平日にも関わらず、町を散策する人の数は決して少なくなかった。
町営の駐車場には観光バスだって停まっていた。
けれども、犬を連れて歩いている人とすれ違ったのはたった一回きりだった。

その際だって、
「ギャー!コーギーよ!悪名高きコーギーよ!!」
と、大回りに避けられたような気がする。
もちろん、気のせいなのかもしれない。
ただ、もう慣れてしまったので、特になんとも思わなくなった。
(旅に出るとコギ族の武勇伝をよく聞かされるのです)

しかし、町をぐるりと一周してみて、犬連れが少ない理由がなんとなく分かったような気がする。
当たり前のことだけれど、長浜は普通の観光地であって、特に犬が入れる店が多いわけではないのだ。
カバンに入るような小型犬なら話は別かもしれないが、ハルさんのように地面を這いつくばることしかできない犬(←我ながらひどい言い方だ)が入ることのできるショップは皆無だった。

待ち尽くす

そこで、私たちはハルさんを外で待たせ、交代で店をひやかすことにしたのだけれど、夫婦で一緒に店を巡らないことには、何となく買い物気分だって盛り上がらない。

やっぱり這いつくばる

結局、ひとつもモノを買うことなく、食事を摂ることにした。

向かった先は「カフェレストラン洋屋」。

この中に店があるようには見えないけれど

古びた門をくぐって中に入ると、そこには・・・・・・。

つづく


****************************************

嗚呼。
長浜の話は一回で終えようとしたんですが、ここで力尽きました・・・。
結局、ひたすら飼い主の買い物に付き合っただけのハルさんにお疲れ様のクリックを。
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2007年09月12日

たびいぬが往く−序章−(Y)

実は毎年、ハルさんを連れて旅に出ようと思っているわけではなかったりする。

犬連れ旅は楽しいけれど、やっぱり様々な制約はあるし、犬が入れない場所がたくさん存在する。
ハルさんを実家にでも預けておけば、夫婦で長期間の旅行をしたって大丈夫だ。

そんなわけで、昨年に引き続き、今年も「死ぬまでに縄文杉が見たい」という妻Mの希望を叶えようとしていたのだが・・・・・・。

リン君一家とともに、ハルさんを連れて渓流沿いのをほんの少々(直線距離だと1キロくらい)歩いただけで、翌日には「足が筋肉痛です」と言い出す妻M。

まったくだらしがないんだから

さらには、日本一長い商店街、天神橋筋商店街を半分くらい歩いただけで「のどが渇きました」とヘバる妻M。(←子供の言い訳だ)

実はオサレな店がたくさん隠れている

そんな妻Mの醜態に今年も屋久島行きは延期となった。

ヘビースモーカーなうえにメタボという、不健康極まりない会社の同僚が縄文杉を見てきたという話を聞き、
「あの人がイケるのなら、アタシだって!」
と息巻いていた妻Mだったが、最近その話がガセ(実は途中でリタイアした)だったと聞いたらしく、昨年とは違って神妙な面持ちで延期の決定を受け入れていた。
(一体いつになったら行けるのだろう……)

そんなわけで、今年もハルさんと一緒に旅行に出ることになった。

やりました

よく考えたら、ハルさんと泊まりの旅に出るのはもう5回目になる。
2歳半となったハルさんは、いつの間にか、飼い主が「どこへ連れて行っても大丈夫」と思えるほど立派なたびいぬに成長していた。

飼い主が性懲りもなく旅先で暴飲暴食を繰り返す傍ら、ハルさんは「ワタシ、この飲んだくれとは関係ありませんから」と優等生ぶりをアピールできるほどの心の余裕を持っているようにも見える。
しかもハルさん、妻Mとは正反対に(←しつこい)余裕綽々で屋久島を走破できるだけの体力だって有している。(もちろん犬は駄目だと思うが)

昨年は清里、軽井沢という犬連れ旅行のメッカとでもいう場所を巡った私たち。
とても楽しい思い出ばかりのこれらの土地に再び赴くことも考えたけれど、やっぱり飽き性な飼い主とハルさん(ハルさんだって飽き性だと思う)は、また違った土地を旅することにした。

どこかのテラスで

さて、そんなたびいぬハルさんが、最初に降り立った町、そこは……。

つづく

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すいません、また序章で終わってしまいました。
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2007年02月18日

洛北絵巻−四の巻−(Y)

高雄パークウェイのドッグランで恥をさらしまくったハルさん一行(前回の記事参照)は、コソコソと人目を忍ぶようにランを後にした。

だが、せっかく京都まで来たのだ。
このまま真っ直ぐ帰るのもなんだか悔しい。
そんな気持ちを抱いていたので、帰る途中、鄙びた雰囲気の土地を発見したので立ち寄ってみたが、あまり気分は晴れなかった。

交通量が多すぎた

そこで、来る途中に見かけたドッグカフェっぽい店で食事を摂ることにした。
実は、お昼に寄った犬連れOK店「メロディ」から京都方面にしばらく進んだ道の途中に、大きなガラス張りの店があったのだが、その中に犬の姿を確認していたのである。

やや渋滞気味の道路を抜け、その店に到着したのはもうあたりが薄暗くなってきた頃合であったが、店の名前を見て驚いた。
なんと、当初、お昼を食べようと思っていた「ブルスケッタ」ではないか。

どうやら、ごく最近、こちらに移転したらしい。
思いがけない出会いに喜び勇む飼い主達が入ってみると、店内は落ちついた雰囲気で広々としていた。
これはかなり期待できそうである。
犬用のオヤツもサービスしてくれるらしい。
どのメニューを頼もうか、悩みに悩んだ挙句にオーダーを完了し、ほっと一息ついていると、まず運ばれてきたのは、犬用の水とオヤツであった。

これは何!?

その量、種類ともに、かなり豪華である。
だがハルさん、すぐにオヤツにありつけるかというと、そうでもない。
デジイチを購入してからすっかり撮影癖がついた飼い主が色んな角度、露出で写真を撮りまくるものだから、撮影が終わった頃にはかなりの時間が経過してしまっているのだ。

今日はこのくらいで勘弁しといたろうか(←大迷惑)

そうこうしているうちに、飼い主の頼んだ料理も運ばれてくる。
妻Mはハンバーグを、

M撮影

私(Y)は、ポークソテーを食した。

Y撮影

ここがイタリア料理店と紹介されているサイトを見たことがあるのだけれど、この味付けはイタリアというよりは、「おふらんす」な感じであった。
なかなか他では味わえない濃厚さがいいなあ、と飼い主が話をしている横で、ハルさんは真摯(そう)に、オヤツの光臨を今か今かと待っていた。

オヤツには真摯に向き合わないと!

一番最初に運ばれてきたはずなのに、食べる順番が一番最後になってしまうのは、まあ、ハルさんが犬だからしょうがない。
けれど、この日、多種多様なオヤツがサービスされたものだから、興奮した飼い主の手によって体中にオヤツを乗せられるハメになってしまうハルさんなのであった・・・・・・。

身も心も囚われる・・・

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オヤツで体を縛り付けられた状態になったハルさんでしたが、「ヨシ」の後は一瞬で片付けてしまいました・・・。
食べ物の為なら何でもする、その卑しんぼさを最後までアピールし続けた感がぬぐえない今回の京都旅行編はこれにて終了です。
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posted by 飼い主YとM at 02:52| 兵庫 ?J| Comment(5) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行

2007年02月16日

洛北絵巻−三の巻−(Y)

ようやく到着したこの日の目的地は、パークウェイの途中にあるドッグランであった。
たくさんの犬を目の前にしてはやるハルさんを押さえつけながら、二つに分けられた入り口の前で飼い主は思案にくれていた。

既にリードが絡まりつつある

小型犬用に突入すべきか。
それとも中・大型犬用に入るべきか。

もちろん、ハルさんは誰が見ても中型犬である。
だが、困ったことにハルさんは大型犬が苦手なのだ。
大型犬に狩られると途端にテンションが下がるし、しつこく迫られると逆ギレする可能性だってある。
初めて来たドッグランでもあるし、ここはひとつ、顔がでかいし胴は長いが、短足であることを逆手にとって、小型犬エリアに入ってしまうのがベターなのではないだろうか。
もちろん、小型犬エリアで平和を謳歌している人、犬には怪訝な顔をされるかもしれない。
だが、小学生高学年の男子が純真そうな顔をして女風呂に入る、そんな際どいやり方を試してみる価値はあるのではないだろうか。
ハルさん、小型犬は好きだし、飼い主の一声で大抵のことはコントロール可能であることが分かれば、受け入れられる可能性もあろう。
そう私が結論づけて、顔を上げたとき。

既にMはハルさんを連れて「中・大型犬エリア」に特攻をかけていた・・・・・・。

早くも波乱(?)の幕開けとなったが、さすがにここはアウェイの地であり、レトリーバー系の犬(ハルさんにとっては大型犬)が闊歩する状況でもある。
(元)暴走王ハルさんも慎重な立ち上がりを見せ、効かない鼻でラン内を嗅ぐフリをしていた。

一応、犬のフリをしとかないと

そんな中、ある出来事が。

ハルさん以外にもコギさんが数匹いたのだが、その中の1匹のコギの飼い主さんが、なんと当ブログを読んでくれていたのである。
ハルさんの顔立ちと服装から「ひょっとして?」と思われたらしいが、決め手となったのは「モッハモハのケツ毛」だったらしい。

モッハーッ!!

ビバ!ケツ毛!!
ハルさんが全国に指名手配された時には、きっと顔写真ではなくてケツの写真が載るのだろう。

一方、全く見ず知らずの方からブログを読んでいると言われて動揺する飼い主を尻目に、ハルさんは、このご家族の愛犬、ライアちゃんと絡み始めた。

ライアちゃん

なんでもライアちゃんも暴走系らしい。
コギ族同士、仲良く(?)走り回る光景は微笑ましかったが、この蜜月も長くは続かなかった。

やはり狩られるハルさん

「目立つ犬は狩られる」のがドッグランの掟である。
案の定、ハルさんはレトリーバーに目をつけられて狩られてしまったので、たちどころにテンションを下げてしまった。
やはり、ハルさんに中・大型エリアは荷が重かったようである。

こうして、またもやクンクンするフリを始めたハルさんであったが、気がつくと、辺りはコギさんだらけになっていた。
その数、7匹くらいだったろうか。

コギ族集結

期せずして開催されたコギ祭り。
主なイベントはアジリティの設備、特にAフレームと呼ばれる板を上らせることであった(何故)。飼い主たち(M含む)、結構必死であった。

次々と駆け上るコギさんたちをみて、ひょっとしたらハルさんも上れるのではないかという気持ちも高まってきた。
さて、ハルさんをどうやって上らせようかと、思案したその時。

なんという食への飽くなき執念か

ハルさんは誰に言われることもなく、ダダダッと板を駆け上った。

おおっ!?ハルさん、アジリティの素質あるんでない?
と思った人は、今までこのブログを読んでいる方のなかには、まさかおられないだろう。
お察しの通り、ハルさんは他の飼い主さんが持つオヤツが欲しくて上っただけであった。
その後もオヤツ欲しさに、頼みもしないのに、何度も往復を繰り返すハルさんであった。

オヤツ、オヤツ

最初は怖くて登れなかったくせに、本当に卑しいコギである。
飼い主の顔が見てみたい(涙)。

そんな自虐的な思いを飼い主が抱いているとは露ほども知らず、ハルさんはオヤツ欲しさに際限なくAフレームを往復する。

オヤツは私が!

もちろん、飼い主は知らん振りだが、Aフレームの女王様を気取って頂上に陣取り、他のコギさんのオヤツを狙うその傍若無人ぶりにハルさん、ついに強制撤去されるのであった。

何をそんなに不満そうな顔をしているのか。恥を知れ。

もう本当に恥ずかしい。

しかし、このことに味を占めたハルさんはその後もオヤツを持つ飼い主さんにまとわりついていた。
嗚呼。
ハルさんを何度呼び戻したことだろうか。

オヤツのあるとこ女豹あり

こうして洛北のドッグランで多大な恥を晒し、ハルさん一行は帰途についたのであった。

暢気に笑っている場合ではないです

つづく。

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生れ落ちた際、犬としての能力全てを「食欲」につぎ込んでしまったハルさんです。
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posted by 飼い主YとM at 00:31| 兵庫 ????| Comment(12) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行

2007年02月15日

洛北絵巻−二の巻−(M)

野垂れ死にも免れたので、ようやく本来の目的地、嵐山・高雄パークウェイへ向かう。

保津峡をのぞむ

嵐山・高雄パークウェイは、有料道路である。
こう書いてしまうと身も蓋もないが、道の途中には展望台や遊園地、ハーブ園など、いろいろと設備があり、それなりに充実している。

展望台のコギ

なにせ通行料が1150円もするのだ。
個人的に心の準備ができておらず、料金でおじさんを前にして思わず
「ぅえっ!?そんなにすんの?」
と大きな声が出てしまう。
こんな声が出たのは、夫がレンズを購入したときついでのように買ったレンズフィルターが4500円もしたとき以来である。
若い頃はぅえっ!?と思っても、声を飲み込むことができたのに、トシを取るにつれて、抑えが利かなくなっている気がする。困ったものである。

ところで今は2月である。
桜や紅葉の季節は素晴らしい景色を見ることができると思われる展望台も、紅葉はすでに遠い昔、梅が咲くにはまだ早く、桜にいたってはまだその気配も感じられないこの季節では、枯れた草木しかない。

まあだからこそこうしてのんびりウロウロできるわけだし、枯れ木ばかりとはいえ、高台からのぞむ保津峡は、やはり見ごたえがある。
そのうえ、なんという偶然か、コギさんに遭遇してしまう。

なんだかつーにゃんと似ている気がする

ジルくんという4歳の男の子である。
コーフンすると「クグルゥ〜ウ」とゴルアぎりぎりの声を出す男前コギさんであった。
こんな人の少ない展望台で出会うなんて、これはもう運命?といきり立ったのは飼い主だけで、コギさん同士はとくにどうということもなかったようだ。

思わぬ出会いに(飼い主が)コーフンしたせいで、時間はもう2時半を回っていた。
あわてて車に戻り、ハーブ園と遊園地を通過する。
遊園地は謎のサイクルモノレールとラジコンサーキットがあり、ラジコン好きの男性たちが熱く集っていた。
ハーブ園は、寒さのあまり機能していなかった(ションボリ)。

しかし、今回の旅の目的地は遊園地でも、ハーブ園でもない。

「ワン・遊・ランド」

そう、ここにはなんとドッグランがあるのだ。
ドッグランがあると思えば、実はさっきの1150円も、さほどお高いわけではないのであった。
レンズフィルターの値段にはいまだ納得できないが(←タヌキのように執念深いA型)。


こんな場所にあるというのに、ドッグランは盛況であった。
さっきまでの閑散とした道のりが嘘のようだ。

続きはWEBで!

そしてここでもまた、新たな出会いがハルさんを待っていたのであった――。

つづく。

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またしても続きます。
旅行へ行くたびに、どうしてこうぐずぐずと長くなるのでしょう私たち。
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posted by 飼い主YとM at 00:24| 兵庫 ????| Comment(4) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行

2007年02月13日

洛北絵巻−一の巻−(Y)

本来なら冬真っ只中であるこの季節、今年こそハルさんを連れて雪遊びに行こうと思っていたのだが、暖冬の影響で近場には全く雪がなさそうである。
なので、予定を変更して京都へ遊びに行くことにした。
実は、ハルさん抜きで前々日にも京都を訪れている。
最近我が家はめっきり(シーズンオフの)京都ブームなのである。

しかし、朝の遅い我が家は出発も遅い。
亀岡を抜け、京都の西へ辿り着いた時にはもうお昼を回っていたので、前もって調べておいた近くにあるらしい「ブルスケッタ」という犬連れOKレストランを探す。
ところが、