さすがのヘクティーも疲労してきたのか、雲行きは怪しいままである。

ところでコーギーといえば牛追い犬である。
今更ハルさんにそんな高尚な職業につくことを望んでいるわけではないが、とにかく牛追い犬のDNA(だけ)は持っているのだ。
そのDNAがすでに脂肪と食い気のなかに埋もれてしまっていたとしても、旅に出たなら牛と会わねばなるまい。
というわけで宿からすぐ近くの長門牧場へ向かう。
ちなみに牛は初対面ではない。去年も会っている。
そして、逃げている(涙)。
で、今回。
天気が悪くて涼しかったせいか、牛たちはとてもアクティブであった。

その活動量は前回出会った牛の比ではない。
走る牛、飛びはねる牛、他の牛と闘う牛(←怖い)。

牛とは案外活動的であることを、私はこの旅行で初めて知った。
しかもどういうわけか、ハルさんに集まってくる。

ハルさんに追われるような空気を察知したからか、ハルさんがこんな日に限って真っ赤な服を着ていたからか。
とにかくヤジ牛が続々と集まってくる。
「なんだアイツ」
「足みじけーな」
「アイツなんかヤな感じすんだけど」
「あ!オレも」
「イラッとするよな」
「するする」

と、牛たちが言っていたかどうかは定かではないが、とにかくハルさんはこの空気にすっかりビビっていた。
あとから聞いた話だが、夫も相当ビビっていたらしい。
あの積極性、棒を渡しただけの柵など簡単に突破してしまうのではないか。
あの意外性、本気で走れば結構速いのではないか。
あの大きさ、オレは勝てるのか。
実際に柵が壊れかけていた(←内側から破壊されているように見える)箇所はあったし、牛は結構速いだろうし、勝負を挑むのは根本的にどうかしている。
まあとにかく赤服を身に纏ったハルさんをとても心配していたようだ。
妻に対しても必死のテレパシー(早く離れろ)を送っていたらしい。
しかし牛が珍しく、おまけに近くに寄ってきてくれたものだから、ウキウキしげしげと牛を見ていたワタクシ、残念ながらかすかな電波も感じられなかった。

その後、ヤジ牛に続いてヤジ馬にもメンチを切られた(ガンを飛ばされた)ハルさんはすごすごと牛馬エリアをあとにする。


このままではハルさんがあまりに不憫である。
お隣の広い草地でハルさんを放牧する。

ようやく牛馬ショックから立ち直ったハルさんは楽しそうに駆けずり回っていた。

そして謎の物体の上で記念撮影をし、


(引きの写真だとこんな感じ)
飼い主はソフトクリームを食べ(夫が)、牛乳を飲み(妻が)、

満足して長門牧場をあとにする。

けれど、まだ時刻はお昼を回っていなかった。
何処かでお昼を食べる前に、もう一箇所くらい寄り道できそうである。
俄然張り切りだした夫が、しばらく無言で情報誌を見つめたあと、「ここなんかどう?」と提案してきた。
なかなか素敵なネーミングの場所だった。
雑誌に掲載されていた写真も素敵であった。
「おぉ。いいんじゃね?」
このとき、二つ返事で即答したことを、私は今でも後悔している。
つづく。
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次でようやくたびいぬシリーズも終了予定です(夫が)。
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なんとかパワーを保ってらっしゃるではありませんか!
コギ族さんはやっぱ、草原が似合いますね〜
ハルさんの赤い服とのコントラストがよいですわ☆
謎の物体?!
干し草の保存したものでしょうか〜?
牧草ロールとは別物なのかな〜?
でも、どんな物体の上でも、
ハルさん、絵になるよね〜(*^▽^*)
やっぱり、笑っているわぁ!←ワンコは笑うと信じたい♪
ハルさんと牛の微妙な距離感が楽しいですね(笑)
DNAの記憶はなかなか呼び覚まされなかったようで、残念でしたね(笑)
でも、ちゃんと走れたし、謎の物体にも乗れて、ハルさん、楽しそう♪
多分・・・ww
ハルさんはちょっと引き気味やったね?(笑)
怖いよね〜でかいし、モーモーうるさいしね。でも遺伝子が活動し出しても困るけど・・(笑)
私も初めて知りました。
牛といえば、
「犬はワンワン、猫はニャーやろ。牛は?」との問いに
「牛はギュギューやろ」と半ばマジで答えた義弟を思い出します。
そういえば、牛を見るとつーにゃんも思い出します。
ハルさんは牛っぽくないのになあ。
トイプーにハルさんの気持ちが通じる日がくればいいですね!
ハルさん、牛は苦手になっちゃいましたかね。
うちの近所(国道脇)には、まだ牛を飼っている家があります。
ときどき、パクが通ると牛が近づいてきてじっと見ていますが、
パクは完全に無視してます。見えない振りかなのかも…。
美味しそうな物がたくさん写っているので、
ここを見た後はお腹が空いてきて困ります。
そうですね〜。
私もワンコは笑うもんだと信じています。
謎の物体、つついたり匂いをかいでみたり
いろいろやってみたのですが(←不審者)、
結局なんだかわかりませんでした……。
■■nyankooooo さん
今となってはコギ族が牛を追うなんてこと
ほんとうにできたのかどうか、
ちょっと疑わしい気持ちです。
一度でいいから本当にコギが牛を
追っている姿が見てみたいです……。
■■りんさん
やっぱり干草ですかね。
おそらくはそうなのかなという気もしますが
結局確証は得られませんでした。
巨大牛馬フンチョス(肥料用?)でなかったことを
祈っています。
■■かおりんさん
義弟ってアノ金髪アフロのにいさんですよね?
ご近所に牛がいる、というのになぜそんな……。
ところでアクティブな牛というのは
結構新鮮です。走りも早いし、やるときはやるんですねぇ。
■■ponさん
常に美味しい食べ物に人生を左右される夫です。
旅の目的もおよそ半分は
「うまいものを食らう」
であると思われます。
まあそうやって蓄えたエネルギーで気圧を上げてくれるので
それはそれでいいかなと思ったり。