2007年02月16日

洛北絵巻−三の巻−(Y)

ようやく到着したこの日の目的地は、パークウェイの途中にあるドッグランであった。
たくさんの犬を目の前にしてはやるハルさんを押さえつけながら、二つに分けられた入り口の前で飼い主は思案にくれていた。

既にリードが絡まりつつある

小型犬用に突入すべきか。
それとも中・大型犬用に入るべきか。

もちろん、ハルさんは誰が見ても中型犬である。
だが、困ったことにハルさんは大型犬が苦手なのだ。
大型犬に狩られると途端にテンションが下がるし、しつこく迫られると逆ギレする可能性だってある。
初めて来たドッグランでもあるし、ここはひとつ、顔がでかいし胴は長いが、短足であることを逆手にとって、小型犬エリアに入ってしまうのがベターなのではないだろうか。
もちろん、小型犬エリアで平和を謳歌している人、犬には怪訝な顔をされるかもしれない。
だが、小学生高学年の男子が純真そうな顔をして女風呂に入る、そんな際どいやり方を試してみる価値はあるのではないだろうか。
ハルさん、小型犬は好きだし、飼い主の一声で大抵のことはコントロール可能であることが分かれば、受け入れられる可能性もあろう。
そう私が結論づけて、顔を上げたとき。

既にMはハルさんを連れて「中・大型犬エリア」に特攻をかけていた・・・・・・。

早くも波乱(?)の幕開けとなったが、さすがにここはアウェイの地であり、レトリーバー系の犬(ハルさんにとっては大型犬)が闊歩する状況でもある。
(元)暴走王ハルさんも慎重な立ち上がりを見せ、効かない鼻でラン内を嗅ぐフリをしていた。

一応、犬のフリをしとかないと

そんな中、ある出来事が。

ハルさん以外にもコギさんが数匹いたのだが、その中の1匹のコギの飼い主さんが、なんと当ブログを読んでくれていたのである。
ハルさんの顔立ちと服装から「ひょっとして?」と思われたらしいが、決め手となったのは「モッハモハのケツ毛」だったらしい。

モッハーッ!!

ビバ!ケツ毛!!
ハルさんが全国に指名手配された時には、きっと顔写真ではなくてケツの写真が載るのだろう。

一方、全く見ず知らずの方からブログを読んでいると言われて動揺する飼い主を尻目に、ハルさんは、このご家族の愛犬、ライアちゃんと絡み始めた。

ライアちゃん

なんでもライアちゃんも暴走系らしい。
コギ族同士、仲良く(?)走り回る光景は微笑ましかったが、この蜜月も長くは続かなかった。

やはり狩られるハルさん

「目立つ犬は狩られる」のがドッグランの掟である。
案の定、ハルさんはレトリーバーに目をつけられて狩られてしまったので、たちどころにテンションを下げてしまった。
やはり、ハルさんに中・大型エリアは荷が重かったようである。

こうして、またもやクンクンするフリを始めたハルさんであったが、気がつくと、辺りはコギさんだらけになっていた。
その数、7匹くらいだったろうか。

コギ族集結

期せずして開催されたコギ祭り。
主なイベントはアジリティの設備、特にAフレームと呼ばれる板を上らせることであった(何故)。飼い主たち(M含む)、結構必死であった。

次々と駆け上るコギさんたちをみて、ひょっとしたらハルさんも上れるのではないかという気持ちも高まってきた。
さて、ハルさんをどうやって上らせようかと、思案したその時。

なんという食への飽くなき執念か

ハルさんは誰に言われることもなく、ダダダッと板を駆け上った。

おおっ!?ハルさん、アジリティの素質あるんでない?
と思った人は、今までこのブログを読んでいる方のなかには、まさかおられないだろう。
お察しの通り、ハルさんは他の飼い主さんが持つオヤツが欲しくて上っただけであった。
その後もオヤツ欲しさに、頼みもしないのに、何度も往復を繰り返すハルさんであった。

オヤツ、オヤツ

最初は怖くて登れなかったくせに、本当に卑しいコギである。
飼い主の顔が見てみたい(涙)。

そんな自虐的な思いを飼い主が抱いているとは露ほども知らず、ハルさんはオヤツ欲しさに際限なくAフレームを往復する。

オヤツは私が!

もちろん、飼い主は知らん振りだが、Aフレームの女王様を気取って頂上に陣取り、他のコギさんのオヤツを狙うその傍若無人ぶりにハルさん、ついに強制撤去されるのであった。

何をそんなに不満そうな顔をしているのか。恥を知れ。

もう本当に恥ずかしい。

しかし、このことに味を占めたハルさんはその後もオヤツを持つ飼い主さんにまとわりついていた。
嗚呼。
ハルさんを何度呼び戻したことだろうか。

オヤツのあるとこ女豹あり

こうして洛北のドッグランで多大な恥を晒し、ハルさん一行は帰途についたのであった。

暢気に笑っている場合ではないです

つづく。

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生れ落ちた際、犬としての能力全てを「食欲」につぎ込んでしまったハルさんです。
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posted by 飼い主YとM at 00:31| 兵庫 ☁| Comment(12) | TrackBack(0) | 犬連れ旅行 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
お天気にも恵まれてコーギーちゃんにもたくさん会えたのですね。
ハルちゃんよかったね〜\(^o^)/

Aフレームの女王様
になってきたのね^_^;
オヤツパワーですぐに慣れちゃうなんてスゴイ!!!
この障害初めてなんですよね?!
素質ありますよ〜

それにしても通行料高いですね^_^;
無料大好きなかみー家もきっと「たかっ!」って大きくつぶやくかと(笑)
Posted by トモ at 2007年02月16日 08:32
こんにちは。
多分2度目のコメントです(笑)
いつも拝見しています。
コギ祭りすごい!埋もれてみたいもんです。
でも、ハルさんのケツ毛がダントツで優勝ですわ。
昨日、職場の近くの文房具店に行ったら、
お店の人が「ハル!こっちおいで!」と言ってたので、
ワンコかな?何ワンコかな?と入り口を見ていたら、
なんと!コギでした☆☆☆
「ここにもハルさんが!!」とにわかに興奮。
神田のハルさんは少しお年を召していたようですが、
私に近寄りくんくんしてきて可愛らしかったです。
お店の看板犬のようでした♪
Posted by ぴょんこ at 2007年02月16日 12:25
 ご無沙汰しております、仕事関係でばたばたしていてちっとも
ブログ回りができずに、少々ふてくされ気味の毎日です。

 コギたくさんでとっても楽しそうですねー、私が行くドッグランも
コギ比率が高いです。でも凛は別に相手の犬種は余り関係ないみたいで、
コギだから仲良くするわけでもないようです。

 そうそう、餌ほしさにアジリティで遊ぶのってとってもわかります、
あのものほしそうな顔はちょっと恥ずかしい気持ちに駆られますよね。
 でも物干しそうな顔をしないって教えるのはかなり難しいのですよね・・・
Posted by ごり at 2007年02月16日 12:59
飼い主YとMさんこんばんわー。
楽しい旅ですね〜。
強制撤去されているハルちゃんがかわいすぎですー。
食べ物目当てでもアジリティーをクリアできるなんてすごいですよー。
Posted by こいちろ at 2007年02月16日 18:38
こんばんは〜あの時は突然声をかけてすいませんでした。たくさん写真を載せていただいてありがとうございます。行こうとされていたブルスケッタですが、実は我家から車で5分くらいなんですが、1月から移転してるんですよ。
またお会いできたらいいですね。実は見ず知らずというわけでもないんです。フラッフィーのりゅうのすけ君のパパさんママさんと、うちの父さんはお友達です。
Posted by ライア ママ at 2007年02月16日 19:52
え、つづくの?いつものパターンだと、前半・MさんYさんが旅を楽しむ。後半・ハルさんがハプニングに巻き込まれる、で終わるパターンが多いから、これで終わりかとw


しかし、ハルさん有名犬だね(色々な意味で)
Posted by Zコーギー at 2007年02月16日 23:00
初アジにはとても見えませんー!
オヤツに釣られたとはいえ、ウチの大輔では
考えられないですよぅ。(←超ビビリなので)
コギ祭り…羨ましい。一緒に大騒ぎしたい…。
Posted by kana at 2007年02月17日 07:46
コギがいっぱいで楽しそうですね。足の短いのがワラワラといる様は他から見ると奇怪でしょうけど、コギ好きにとってはパラダイスですな。最初に出会った4歳のコギくんがつくねにちょっと似て見えたのでビックリしました。兄弟だったらおもしろいのに(笑)。ハルさん、おやつに釣られてるとはいえ、登るのはすごいですよー。つくねなんて、おやつで釣ってもダメでした。あの食欲魔人(犬?)が。
Posted by えり at 2007年02月17日 10:29
風を切り中を舞う『モッハモハのケツ毛』、すばらしい。
いまやハルさんの代名詞と言えますね(マジ?)。

それにしても初めて対面したAフレーム(?)に
ためらう事も無く登ってしまうなんて、
オヤツの威力とはスゴイモノなのですね。
他の飼い主さんのスゴイモノをもらいに行っても、
呼び戻しでちゃんと戻ってくるハルさん、偉いです。
尻毛ぼーぼー仲間として見習いたいと思いましたが、なんたは
先日の軽井沢への旅行前にぼーぼーズを脱退、
いわゆる桃尻にしてしまいました。
ちょっと残念・・・。尻毛がぼーぼーだったら、きっとなんたも
Aフレームとやらに登れただろうに。>違
Posted by なんママ at 2007年02月17日 20:08
ハルさん、遠征ですね!
さすがハルさん、京の地でもケツ毛で発見されたのですね。
私もヅカでハルさんとお会いしたとき、ケツ毛でハルさん・・・?とわかりました(笑)

やっぱり、コギさんも中大型犬エリアなんですね。
ココも以前行ったランで、中大型エリアに入れられ、とまどったことがあります。
体の大きさは隣の小型犬エリアの子と変わらなかったのですが・・・
まぁどっちでもいいんです。ココ的には・・・


Posted by イコ at 2007年02月17日 21:46
ビバ!ケツ毛〜、コギ祭り〜
たまりませんな^^

うちではコタのケツ毛を「ポワ毛」と呼んでます
ハルさんのモッハモハには到底及びませんがw
Posted by チャコタママ at 2007年02月17日 21:47
★トモさん
いやいや、単にオヤツが大好きなだけで、素質なんてものはからっきしないですよ。
ひょっとしたら、オヤツにつられて他にも色々こなせるのかもしれませんが、
飼い主の素質(やる気?)が全くないので、確かめようもないです。
通行料は高かったですが、ランの入場料とか駐車料金はなかったので、終わってみれば、納得できる金額でした。

★ぴょんこさん
こんにちは。
こんな下らないブログ、読んでくださりありがとうございます。
ハルはケツ毛だけなら、他のコギさんに負けていません。
でも、ケツ毛以外に誇る部分がないんですよ(涙)。
神田の文房具店にもコーギーのハルさんがいたんですか!?
ケツ毛はもちろん、ボーボーでしたよね?

★ごりさん
仕事が忙しいと時間がつくれなくて大変ですね。
ここのランはいつもコギ率が高いわけではないようです。
この日はたまたまコギさんが集結したんでしょうね。
オヤツをおねだりに行くのは、できれば止めさせたいのですが、「マテ」で動きを止めても根本的な解決にはならないので、困り果てています。

★こいちろさん
強制退去させたときの顔、何だか不満そうな顔をしています。
何も悪いことをしていないのに、何故?といったところでしょうか。
オヤツの前には全ての理性(そもそもあるのか?)が吹き飛んでしまうようです。

★ライアママさん
こんにちは。
この間はありがとうございました。
りゅう君のお知り合いだったんですね。
ブルスケッタ、移転先を発見しまして、今日の記事にも書いていますが、帰る途中にゴハンを食べました。
美味しかったです。

★Zコーギーさん
いや、今回、ハルの活躍(?)の場はあまりなかったです。
滅茶苦茶デカイのに追われたりしたら、面白かったんですけれど。
残念です。

★kanaさん
これはアジリティなんでしょうか?
アジリティというものは、飼い主のコマンドに従って、障害を越えていくものだと思うんですが、
ハルの頭の中には「オヤツ」しかなかったと断言できます。
まあ、アジリティしたいと飼い主が思っていないので、別にいいんですが、このオヤツに対する執着心を何とか和らげる方法はないものでしょうか?

★えりさん
最初に会ったコギさん、やっぱりつーにゃんに似ていると思いました?
実物を見たときは、全然思わなかったんですが、写真にしてみると顔の質感が似ている気がします。
なんかこう、ツルッとした感じが似ているんですよ。
コギ族美肌系とでもいいますか。

★なんママさん
アジリティのことよく知らないので、この障害物の名前はネットで調べてから書きました。
多分、Aフレームで合っていると思います^^
ハルは一応呼び戻しがきくんですが、その場で待機させておかないと、また元のところへとオヤツをを求めて旅立ってしまいます(涙)。
オヤツに興味を持たせないトレーニングなんてなさそうだし、どうすべきか途方にくれています。
なんた君、桃尻になったんですね。
うーん、残念(?)。

★イコさん
イコさんもケツ毛で判別されましたか?
それではますますケツ毛を切れなくなります。
いや、実は、桃尻にしてみたいと思っている飼い主もいるようなので、こんこんと言って聞かせておきますね。
ケツ毛がハルのアイデンティティであることを。
ビーグルは、ギリギリ中型犬に分類されそうですね。
ココちゃん、大型犬に囲まれてもマイペースで楽しんでそう。
人間さえいれば、満足できそうですもんね。

★チャコタママさん
ケツ毛、今までに何度か刈ろうかという話もあったのですが、飼い主がズボラなせいで、生まれたままのケツ毛が続いています。
しかし、ここまでケツ毛のイメージが強くなると、これはもう刈れません。
Posted by Y at 2007年02月18日 13:13
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