たくさんの犬を目の前にしてはやるハルさんを押さえつけながら、二つに分けられた入り口の前で飼い主は思案にくれていた。

小型犬用に突入すべきか。
それとも中・大型犬用に入るべきか。
もちろん、ハルさんは誰が見ても中型犬である。
だが、困ったことにハルさんは大型犬が苦手なのだ。
大型犬に狩られると途端にテンションが下がるし、しつこく迫られると逆ギレする可能性だってある。
初めて来たドッグランでもあるし、ここはひとつ、顔がでかいし胴は長いが、短足であることを逆手にとって、小型犬エリアに入ってしまうのがベターなのではないだろうか。
もちろん、小型犬エリアで平和を謳歌している人、犬には怪訝な顔をされるかもしれない。
だが、小学生高学年の男子が純真そうな顔をして女風呂に入る、そんな際どいやり方を試してみる価値はあるのではないだろうか。
ハルさん、小型犬は好きだし、飼い主の一声で大抵のことはコントロール可能であることが分かれば、受け入れられる可能性もあろう。
そう私が結論づけて、顔を上げたとき。
既にMはハルさんを連れて「中・大型犬エリア」に特攻をかけていた・・・・・・。
早くも波乱(?)の幕開けとなったが、さすがにここはアウェイの地であり、レトリーバー系の犬(ハルさんにとっては大型犬)が闊歩する状況でもある。
(元)暴走王ハルさんも慎重な立ち上がりを見せ、効かない鼻でラン内を嗅ぐフリをしていた。

そんな中、ある出来事が。
ハルさん以外にもコギさんが数匹いたのだが、その中の1匹のコギの飼い主さんが、なんと当ブログを読んでくれていたのである。
ハルさんの顔立ちと服装から「ひょっとして?」と思われたらしいが、決め手となったのは「モッハモハのケツ毛」だったらしい。

ビバ!ケツ毛!!
ハルさんが全国に指名手配された時には、きっと顔写真ではなくてケツの写真が載るのだろう。
一方、全く見ず知らずの方からブログを読んでいると言われて動揺する飼い主を尻目に、ハルさんは、このご家族の愛犬、ライアちゃんと絡み始めた。

なんでもライアちゃんも暴走系らしい。
コギ族同士、仲良く(?)走り回る光景は微笑ましかったが、この蜜月も長くは続かなかった。

「目立つ犬は狩られる」のがドッグランの掟である。
案の定、ハルさんはレトリーバーに目をつけられて狩られてしまったので、たちどころにテンションを下げてしまった。
やはり、ハルさんに中・大型エリアは荷が重かったようである。
こうして、またもやクンクンするフリを始めたハルさんであったが、気がつくと、辺りはコギさんだらけになっていた。
その数、7匹くらいだったろうか。

期せずして開催されたコギ祭り。
主なイベントはアジリティの設備、特にAフレームと呼ばれる板を上らせることであった(何故)。飼い主たち(M含む)、結構必死であった。
次々と駆け上るコギさんたちをみて、ひょっとしたらハルさんも上れるのではないかという気持ちも高まってきた。
さて、ハルさんをどうやって上らせようかと、思案したその時。

ハルさんは誰に言われることもなく、ダダダッと板を駆け上った。
おおっ!?ハルさん、アジリティの素質あるんでない?
と思った人は、今までこのブログを読んでいる方のなかには、まさかおられないだろう。
お察しの通り、ハルさんは他の飼い主さんが持つオヤツが欲しくて上っただけであった。
その後もオヤツ欲しさに、頼みもしないのに、何度も往復を繰り返すハルさんであった。

最初は怖くて登れなかったくせに、本当に卑しいコギである。
飼い主の顔が見てみたい(涙)。
そんな自虐的な思いを飼い主が抱いているとは露ほども知らず、ハルさんはオヤツ欲しさに際限なくAフレームを往復する。

もちろん、飼い主は知らん振りだが、Aフレームの女王様を気取って頂上に陣取り、他のコギさんのオヤツを狙うその傍若無人ぶりにハルさん、ついに強制撤去されるのであった。

もう本当に恥ずかしい。
しかし、このことに味を占めたハルさんはその後もオヤツを持つ飼い主さんにまとわりついていた。
嗚呼。
ハルさんを何度呼び戻したことだろうか。

こうして洛北のドッグランで多大な恥を晒し、ハルさん一行は帰途についたのであった。

つづく。
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生れ落ちた際、犬としての能力全てを「食欲」につぎ込んでしまったハルさんです。
そんな哀れなハルさんの煩悩が退散するようテチッとクリックをお願いします。

ハルちゃんよかったね〜\(^o^)/
Aフレームの女王様
になってきたのね^_^;
オヤツパワーですぐに慣れちゃうなんてスゴイ!!!
この障害初めてなんですよね?!
素質ありますよ〜
それにしても通行料高いですね^_^;
無料大好きなかみー家もきっと「たかっ!」って大きくつぶやくかと(笑)
多分2度目のコメントです(笑)
いつも拝見しています。
コギ祭りすごい!埋もれてみたいもんです。
でも、ハルさんのケツ毛がダントツで優勝ですわ。
昨日、職場の近くの文房具店に行ったら、
お店の人が「ハル!こっちおいで!」と言ってたので、
ワンコかな?何ワンコかな?と入り口を見ていたら、
なんと!コギでした☆☆☆
「ここにもハルさんが!!」とにわかに興奮。
神田のハルさんは少しお年を召していたようですが、
私に近寄りくんくんしてきて可愛らしかったです。
お店の看板犬のようでした♪
ブログ回りができずに、少々ふてくされ気味の毎日です。
コギたくさんでとっても楽しそうですねー、私が行くドッグランも
コギ比率が高いです。でも凛は別に相手の犬種は余り関係ないみたいで、
コギだから仲良くするわけでもないようです。
そうそう、餌ほしさにアジリティで遊ぶのってとってもわかります、
あのものほしそうな顔はちょっと恥ずかしい気持ちに駆られますよね。
でも物干しそうな顔をしないって教えるのはかなり難しいのですよね・・・
楽しい旅ですね〜。
強制撤去されているハルちゃんがかわいすぎですー。
食べ物目当てでもアジリティーをクリアできるなんてすごいですよー。
またお会いできたらいいですね。実は見ず知らずというわけでもないんです。フラッフィーのりゅうのすけ君のパパさんママさんと、うちの父さんはお友達です。
しかし、ハルさん有名犬だね(色々な意味で)
オヤツに釣られたとはいえ、ウチの大輔では
考えられないですよぅ。(←超ビビリなので)
コギ祭り…羨ましい。一緒に大騒ぎしたい…。
いまやハルさんの代名詞と言えますね(マジ?)。
それにしても初めて対面したAフレーム(?)に
ためらう事も無く登ってしまうなんて、
オヤツの威力とはスゴイモノなのですね。
他の飼い主さんのスゴイモノをもらいに行っても、
呼び戻しでちゃんと戻ってくるハルさん、偉いです。
尻毛ぼーぼー仲間として見習いたいと思いましたが、なんたは
先日の軽井沢への旅行前にぼーぼーズを脱退、
いわゆる桃尻にしてしまいました。
ちょっと残念・・・。尻毛がぼーぼーだったら、きっとなんたも
Aフレームとやらに登れただろうに。>違
さすがハルさん、京の地でもケツ毛で発見されたのですね。
私もヅカでハルさんとお会いしたとき、ケツ毛でハルさん・・・?とわかりました(笑)
やっぱり、コギさんも中大型犬エリアなんですね。
ココも以前行ったランで、中大型エリアに入れられ、とまどったことがあります。
体の大きさは隣の小型犬エリアの子と変わらなかったのですが・・・
まぁどっちでもいいんです。ココ的には・・・
たまりませんな^^
うちではコタのケツ毛を「ポワ毛」と呼んでます
ハルさんのモッハモハには到底及びませんがw
いやいや、単にオヤツが大好きなだけで、素質なんてものはからっきしないですよ。
ひょっとしたら、オヤツにつられて他にも色々こなせるのかもしれませんが、
飼い主の素質(やる気?)が全くないので、確かめようもないです。
通行料は高かったですが、ランの入場料とか駐車料金はなかったので、終わってみれば、納得できる金額でした。
★ぴょんこさん
こんにちは。
こんな下らないブログ、読んでくださりありがとうございます。
ハルはケツ毛だけなら、他のコギさんに負けていません。
でも、ケツ毛以外に誇る部分がないんですよ(涙)。
神田の文房具店にもコーギーのハルさんがいたんですか!?
ケツ毛はもちろん、ボーボーでしたよね?
★ごりさん
仕事が忙しいと時間がつくれなくて大変ですね。
ここのランはいつもコギ率が高いわけではないようです。
この日はたまたまコギさんが集結したんでしょうね。
オヤツをおねだりに行くのは、できれば止めさせたいのですが、「マテ」で動きを止めても根本的な解決にはならないので、困り果てています。
★こいちろさん
強制退去させたときの顔、何だか不満そうな顔をしています。
何も悪いことをしていないのに、何故?といったところでしょうか。
オヤツの前には全ての理性(そもそもあるのか?)が吹き飛んでしまうようです。
★ライアママさん
こんにちは。
この間はありがとうございました。
りゅう君のお知り合いだったんですね。
ブルスケッタ、移転先を発見しまして、今日の記事にも書いていますが、帰る途中にゴハンを食べました。
美味しかったです。
★Zコーギーさん
いや、今回、ハルの活躍(?)の場はあまりなかったです。
滅茶苦茶デカイのに追われたりしたら、面白かったんですけれど。
残念です。
★kanaさん
これはアジリティなんでしょうか?
アジリティというものは、飼い主のコマンドに従って、障害を越えていくものだと思うんですが、
ハルの頭の中には「オヤツ」しかなかったと断言できます。
まあ、アジリティしたいと飼い主が思っていないので、別にいいんですが、このオヤツに対する執着心を何とか和らげる方法はないものでしょうか?
★えりさん
最初に会ったコギさん、やっぱりつーにゃんに似ていると思いました?
実物を見たときは、全然思わなかったんですが、写真にしてみると顔の質感が似ている気がします。
なんかこう、ツルッとした感じが似ているんですよ。
コギ族美肌系とでもいいますか。
★なんママさん
アジリティのことよく知らないので、この障害物の名前はネットで調べてから書きました。
多分、Aフレームで合っていると思います^^
ハルは一応呼び戻しがきくんですが、その場で待機させておかないと、また元のところへとオヤツをを求めて旅立ってしまいます(涙)。
オヤツに興味を持たせないトレーニングなんてなさそうだし、どうすべきか途方にくれています。
なんた君、桃尻になったんですね。
うーん、残念(?)。
★イコさん
イコさんもケツ毛で判別されましたか?
それではますますケツ毛を切れなくなります。
いや、実は、桃尻にしてみたいと思っている飼い主もいるようなので、こんこんと言って聞かせておきますね。
ケツ毛がハルのアイデンティティであることを。
ビーグルは、ギリギリ中型犬に分類されそうですね。
ココちゃん、大型犬に囲まれてもマイペースで楽しんでそう。
人間さえいれば、満足できそうですもんね。
★チャコタママさん
ケツ毛、今までに何度か刈ろうかという話もあったのですが、飼い主がズボラなせいで、生まれたままのケツ毛が続いています。
しかし、ここまでケツ毛のイメージが強くなると、これはもう刈れません。