留守番中、ハルさんはケージの中で一人暮らしなわけだが、夜、寝るときもケージの中なので、ハルさんは一日の大半をケージの中で生活していることになる。
ウチに来た当初は、ケージの中に入ることを嫌がっていたハルさんだが、今では、「お休みしようか」と言うと、自分でケージの中に入るようになった。
むしろ、「お休み」の一言をケージの前で待っているフシさえある。
まあ、これはご褒美がもらえるからなんだろうが。
でも、本気で眠い時は、自らケージの中で寝ていることもあるくらい、お気に入りの場所になったことは確かのようだ。
悪さをして叱られた時も、ケージに入ってやりすごそうとするハルさんである。
ケージをハルさんの安心できる場所にしてあげようとして、飼い主が叱らないことを知っているのだ。
そう、ハルさんにとって、今やケージは聖域(サンクチュアリ)なのである。
今日も、テーブルの上に(わざと)置いておいたオヤツのガムをひょこっとくわえたところを飼い主に見つかり、ケージに逃げ込むハルさん。
まあ、飼い主のトラップ(盗み食いをしないためのしつけ)に見事に引っかかったわけだが、ケージの中からオヤツを抜き出されても、聖域に籠もり飼い主のお叱りをやり過ごそうとする健気なハルさんである。
ぬう。
こうなればこちらも打つ手がない。
せいぜい、
「あんたみたいなブロンズセイントにサンクチュアリなんてないのよ!!」
とMが罵声を浴びせる程度であった。
突然だが、そんなハルさんのお宅探訪。
「御主人、案内よろしくお願いします」
「ここが入り口ですね。お邪魔します」
「これは寝室ですか。わかりました」
「上のほうからみてみましょうか。向こうにある一部屋は?」
「一部屋まるまるトイレですか!?リビングとトイレが一部屋ずつとは。いや〜すばらしい!!」
「奥さん!となりの晩御飯!!」
「ええっ!?いや〜そんなぁ〜」
どうでもいいことだが、たったこれだけのセリフで他人の家に上がりこみ、ごはんまで横取りしてしまうヨネスケは本当にミラクルな存在だ(M)。