
5月には鳥取砂丘を訪れた。
初めての来訪となったMさんは、「あそこはしょぼい」と多くの人から聞かされていたのが功を奏したのか、想像していた以上の大きさに驚いていたし、ハルさんは一面の砂原にただただ興奮していた。
砂丘を駆け下りるのはとても楽しい。
砂がクッションの役目を果たしてくれるので、何の迷いもなく重力に身をまかせることができるのだ。
ハルさんもきっと楽しいに違いない。
そう思い、ハルさんを連れて一緒に駆け下っていたところ、ハルさんがぷいと急に途中で立ち止まってしまった。
不思議に思い私も立ち止まる。
その様子を見ていたMさんがポツリとつぶやいた。
「夫の蹴り上げた砂が全部ハルちゃんの顔面を直撃してる・・・」
そんな短足犬の宿命ともいえる悲劇に遭遇したハルさんではあったが、砂丘そのものはとても楽しかったようである。
