潮干狩りに行く。
以前、ガスコンロ用の飯炊き器具を探していたときに見つけたサイトで熱く語られていたのだ。
そこには、人間の本能を刺激する潮干狩り自体の楽しみと、帰宅後の「食」を味わう楽しみが描かれていた。
確かに、アサリは旨いし、いろんな料理に使えて便利でもある。
自称グルメ(←Mさんは只の食いしん坊と言って譲らないが)の私の心に火がついたことは言うまでもない。
ハルさんが食欲犬魔神なのは、飼い主に似たのかもしれない。
早速、潮干狩りの場所を探してみる。
幼い頃に潮干狩りをしたような記憶はかすかに残っているけれど、よく覚えていない。
ひょっとしたら春の風物詩としてローカルニュースで見かけた映像と自分の記憶が入り混じっているのではないかと思うほど記憶が曖昧である。
ネットで検索してみると、近畿地方の潮干狩りスポットはすぐに見つかった。
しかし、どの場所も4月から解禁のようである。
3月は時期尚早なのか。
いや、実はそんなことはないのである。
ネットさんが言うには、アサリは冬だって取れるらしい。
そこで、潮干狩り可能な砂浜を探してネットの海を徘徊する。
ハルさんも連れて行くつもりなので、できれば人のあまりいないところがいい。
すると、おあつらえ向きの場所が見つかった。
徳島県鳴門市。
高速料金の低額化のおかげで移動コストも抑えられる。
徳島ラーメンも魅力的だ。
ところで、潮干狩りで一番重要なのは潮の引き具合なのだそうだ。
潮見表を調べて決行日を3月最終週と定め、いよいよ鳴門へと旅立つ。
やっぱり、ボンゴレ・ビアンコ?
いやいや酒蒸しも捨てがたい。
おいしそうな魚が手に入ればアクアパッツアだって出来てしまうかも。
「ボンゴレ〜! ボンゴレ〜!!」
妄想にお腹を膨らませながら、私たちは鳴門の砂浜に到着した。
早速砂浜を掘る。
まだ潮が引ききってはいないため、海の中に立ち入り、海中の砂地へと熊手を振り下ろす。
下半身は海パン、上半身はダウンジャケット。
なんともアンバランスな格好で掘る。
やっぱり、3月の海はまだ寒かった。
けれども、アサリさえ見つかれば寒さなど吹き飛ぶはずである。
体中に染み渡る冷気を堪えてざくざくと掘り続ける。
ところが、一向にアサリは出てこない。
辺りにはアサリと思しき貝殻が散乱しているというのに、肝心の本体は全くその姿を現さなかった。
熊手は空しく砂地をかき乱すだけであった。
こんなとき、ハルさんが「ココ掘れワンワン!」とアサリを見つけ出してくれればよいのだが、現実は3月の海と同じように冷たいものである。
ハルさんは楽しそうに海べりを走り回っているだけであった。
結局、1時間ほどの空しい作業を終えて、砂浜を後にする。
そのまま帰宅するのも何だか悔しいので、徳島ラーメンを食し、名産のレンコンや地元の醤油などを買って帰る。
入念にネット情報を調べて赴いたのだけれど、ネットさんもときには当てにならないことを思い知ることになった。
こうして徒労に終わった1日であったけれど、ハルさんの楽しそうに海岸を走り回る姿、生き生きとした表情を見ていると、少しは遠出した甲斐もあったかなと思い直す。
地元で食べた徳島ラーメンはとても美味しかったし、レンコンに挽肉を詰めて焼いてみたら想像以上のいい味だった。
けれど、肝心のボンゴレはおあずけのまま。
食欲犬魔神の飼い主としては当然、このまま引き下がるわけにはいかないのである。
(たぶん)つづく。
posted by 飼い主YとM at 21:53| 兵庫 |
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