犬としての能力を高めつつあった(ようにみえた)ハルさんが、飼い主に与えられたフィラリアの薬をぺロリと平らげ、その能力に疑問符がつけられたことは以前記事にしたとおりである。(過去記事参照)
こうしてその評価を下げつつあったハルさん株であったが、それでもまだ最近の奇跡(特にケータイ事件)の影響は大きく、「やれば出来る犬」「いざとなったらやれるコ」という淡い期待を飼い主たちが抱いていたのもまた事実であった。
けれども、先日の川遊びの際、飼い主の評価を一変させ、ハル株が大暴落する事件が起こる。
それは、川遊びの最中、一向に深みに入ろうとしないハルさんを何とか罠にはめてやろうと、飼い主がオヤツを取り出したことに始まる。
まずは、オヤツをハルさんの鼻先にぶら下げて深みへ誘導し、オヤツに気を取られているうちに足の届かない深場へ嵌めてしまおうという作戦を発動したのであった。
いわゆる古典的な「ニンジン作戦」だったわけであるが、さすがのハルさんもそのような使い古された手には乗ってこず、不発に終わった。(チッ)
それならばと、オヤツを川の中央に投げてみる。
ハルさんが呆然とオヤツを見守っているだけでは、大好きなオヤツはどんどん下流へと流されてしまう。
愛しのオヤツのために体のひとつも張れないでどうする、ハルさん。
ハルさんの勇気を試してみるには絶好のシチュエーションであった。
ところが。
ハルさんは飼い主が投げ入れたオヤツを完全に見失っていた。(なぜ!?)
自らの足元をキョロキョロと熱心に見渡し、まだ飼い主の手に残っているのではないかと手元を覗き込んでくる。
何度か投げ入れてみたが、ハルさんは一度もオヤツを見つけることができず、全て飼い主が回収する羽目になった。
渓流のほとりで、飼い主も、ハルさんも、全くかみ合うことなく激しい空回りを演じていた。何だか空しい。
そこで、ハルさんの鼻先をオヤツが通過するように川の上流へ投げ入れてみた。
まずはハルさんにオヤツを見つけてもらうのが先決である。
それから徐々に距離を伸ばしていけば、いずれ深みに嵌ってくれるかもしれない。
飼い主の狙いはそこにあった。
そして狙い通り、ハルさんに川上から流れてきたオヤツを食べさせることができた。
しかし。
どうやらハルさんは
「この川は上流からひとりでにオヤツが流れてくる宝の川なんだわ!
ああ、なんて素晴らしい川!
ビバ!トレビアン!!ハラショー!!!」
と思ったらしかった。(なぜ!?)
オヤツの欠片も見逃すまじ!と川面をジッと見つめたかと思うと、水面に浮かんでいる泡に食らいつき始めた。(だからなぜ!?)
呆れて物も言えない飼い主たちを尻目に、ハルさんはバシャバシャと浅瀬を移動しつつ、川の中にあるはずのオヤツ(それはただの泡)を探していた。。
そして川面にアブクを見つけるや否やオヤツと間違えて大きな口を向けるハルさんの姿は、ただの馬鹿犬でしかなかった。
2008年夏、箕面川のほとりでハルさんの評価は地に落ちたのである。(元に戻っただけともいう)
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ついにハル株大暴落です。
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