
近ごろ、ハルさんを叱ることがめっきり少なくなった。
激動(?)のパピー時代を経て、年齢を重ねるごとに落ち着きを醸し出しつつハルさんは、飼い主に叱られるような行動をとらなくなっている。

自慢の
ゴルア砲もここ1年以上稼動していない。
それは、ゆっくりとしかし確実に錆付きつつあるように思える。
けれど、それもまた良し。
私たちは、まるでロッキングチェアで寛ぐ老夫婦のようにゆったりと、ハルさんの行動を見守りさえすればよかった。
はずだった・・・・・・。
そう、そんな穏やかな日常を、ハルさんのとある行動が引き裂いたのである。
今から思えば、それはある日突然現れ出たというわけではなく、ハルさんの中で密やかに育まれていたのだろう。
気が付いたときには、もはや手遅れだったというわけだ。
それは、ドッグランの中での出来事。
ドッグランでは大勢の人と犬が入り混じり、それぞれに思い思いの行動をとっている。
ハルさんのように無駄走りをする犬もいれば、

ボール遊びに興じる犬もいる。
ゆっくりと寛ぐ犬もいれば、ちょっとしたアジリティの練習をする犬だっている。
アジリティの練習をしている犬の飼い主さんは、たいていオヤツを持っている。
アジリティのことはよく知らないけれど、オヤツで犬の行動をコントロールし、様々な動きを覚えさせるのが一般的なのだろうか。
ところが、オヤツを愛犬の鼻先に持ち、さあ今から練習をスタートしようかと思ったその時、愛犬の鼻先を押しのけるようにして別の犬が現れる。
ハルさんだ。

そう、ハルさんは誰かオヤツを持っている人を見つけると、一目散にその人の下へ馳せ参じ、必死にオヤツをおねだりするのだ。
これからアジリティの練習をしようとしている飼い主さんにとっては邪魔で仕方がないだろう。
「ハルー!おいでーっ!!」
と叫ぶと、ハルさんは渋々戻ってくる。
無尽蔵の食欲を押さえ込むだけの理性は何とか残っているらしい。
けれども、しばらく経つと同じ光景がまたもや繰り広げられる。
一度、オヤツを目にしたハルさんは、それを諦めきることができないようなのだ。
中には気前よくハルさんにオヤツをプレゼントしてくれる飼い主さんもいる。
そのお気持ちはありがたいが、もはやこうなれば、ジ・エンドだ。
「ハルーッ!オイデーッ!・・・ラーッ!ウラァーッ!」と遊牧民族のように数キロ先の羊を呼び戻さんとの勢いで声を張り上げても、ハルさんは帰ってこない。(涙)
飼い主の叫び声だけが空しくドッグラン内にこだまするだけだ。
ハルさんも、食欲に支配されるコギ族だけあって、昔からこのような傾向はあった。
とはいえ、ここまで目に余るものではなかったような気がする。

最近のハルさんは、ドッグランでオヤツを持つ人を見つけた途端、只のオヤツ・ハンターと化してしまう。
一度ハンター化したハルさんは、その人がドッグランに居る限り、追い続けるのだ。
その執着心は、トナカイを追う狼のそれに似ている。
なるほど、ハルさんの祖先を辿れば狼に行き着くな・・・と感心している場合ではない。

私たち飼い主は、ハルさんの迷惑極まりない行動を止めなければならないのだ。
その行動を逐一監視し、呼んでも戻らない時は捕獲して連行する必要がある。
ハルさんはフセコマンドからは逃れられないため、捕獲自体は大した労力ではないのだけれど、自分の犬の行動を注視するという行為はひどく疲れる。
けれど、これは叱って済むような話ではないのだろう。
「飼い主以外の人からはオヤツを貰えない」という認識をハルさんが持てば改善されるような気がするのだけれど、どうだろうか。
動物園のゴリラのように、
「エサを与えないでください」というプレートをハルさんに付けさせるべきかどうか、現在、我が家ではヌルい議論が戦わされている。

・・・・・・これは先が長いかもしれない。
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