
松葉蟹に但馬牛などなど。
前回、前々回の記事で書いたとおり、但馬の旨いものでお腹を満たしたうえ、そら君やチコちゃんといった人懐っこくて素晴らしい犬たちとの逢瀬を楽しんできた飼い主たちである。

そんな浮気者一行が、ハルさんが一夜を過ごしたTDSPへ辿り着いた頃、辺りは夕焼けに包まれていた。
前回のお試しお預かりでは、再会した飼い主(M)にノーリアクションだったという噂のハルさんである。
今回は飼い主が二人とも揃っていることだし、きっと感動の再会シーンが繰り広げられると思ったのであるが・・・・・・。

このボボ犬、やはり今回もノーリアクションだった。
とはいえ、3秒ほどフリーズした後には飼い主だと気がついたらしく、嬉しそうに駆け寄ってきてくれた。
どうやら、ボボ犬は、オフにしていたスイッチを切り替えてから始動するまでしばらく時間がかかるらしい。
壊れかけのレディオか。

さて、TDSPでのハルさんはどんな様子だったのだろうか。
早速、スタッフの方に聞いてみると、
「1時間くらいはヒュンヒュン鳴いていましたねー。
あ、そういえば、飼い主さんが出て行った後を追って、
飛び出してしまったんですよ」
――ああー。見てました。ばっちり見てました。
危うく、「笑わせてくれましたね!」と言いそうになるが、おかしな飼い主と思われても困るのでぐっと堪える。
「でもハルちゃん、1時間くらいすると落ち着いてきて、
外で他のワンちゃん達とも遊ぶようになりました。
ゴハンも全部食べてましたよ」
――トイレはどうでしたか?
「トイレは、大きいほうも小さいほうも普通にしてましたよ」
――それはよかったです
ことゴハンに関する限り、避妊手術の当日でさえボリボリと貪り食ったという伝説を持つハルさんのことだから何の心配もしていなかったのだが、他の犬と絡む余裕も出てきたようであるし、トイレも自然に出来ているようで一安心である。
この調子で慣れていってくれると、ゆくゆくは1週間くらいのお泊りでもストレスなく暮らせるかもしれない。

そんな感慨を抱いていると、スタッフの方が私の胸元にぶら下がるカメラを見つめ、
「カメラお持ちでしたら、ハルちゃんが他のワンちゃんと一緒に遊んでいるところを撮ってみます?」
と言ってくださった。
もちろん、こんな有難い申し出を断る理由などない。
二つ返事でお願いすると、
「じゃあ、二匹ほど出してみましょうか。
さっきまでハルちゃんと遊んでいたんですよー!」
そんなわけで、イキのよさそうな二匹の犬が芝生広場に出てきた。
激しく遊びだす柴犬とボーダーコリー。
よほど仲がいいのか、ずっと転げまわって遊んでいる。

しかし、ハルさんはそんな二匹など眼中にないかのように、飼い主二人の間を嬉しそうに走り回るだけであった。

何だかカメラのシャッターも切りづらい。
「あら?おかしいですね〜?」
「じゃあ、このコも」
「では、あのコも出してみましょう」
ふと気が付けば、辺りにはたくさんの犬が戯れていた。
みんな人懐っこいので、私たちにも擦り寄ってきてくれる。
わふわふわふ〜。
ハルさんそっちのけで犬たちと戯れる。
もはやこうなると、写真など撮っている場合ではない。
特にシャンプー直後のバーニーズのふわふわした毛は最高級の手触りでいつまでも撫でていたくなる。
はて?
一体何をしに来たのだろうか?
ふと、我に返った頃、飼い主に置いてけぼりを食らった格好になったハルさんがようやく他の犬と絡みだした。

とはいえ、ラブラブな二匹の間に割って入れるだけの気合と根性がハルさんに備わっているはずもなく、二匹の後を追いかけてみたり、狩られる雰囲気を味わってみたりするのが関の山である。

けれども、ハルさんがTDSPでイキイキと過ごしていることは十分に察せられたのは収穫だった。
TDSPから帰る際のハルさんの表情は、ドッグランから帰るときのそれと似ていたような気がする。

ハルさんはTDSPの環境にだいぶ慣れたようであるし、私たちも他の犬たちとイチャつける(←ココ重要)こともあり、次回は抜け毛祭りのピーク時にシャンプー&トリミングをお願いしようかと思っている。
ただ、今まで一度も人の手が入ったことのない自然遺産、ハルさんのボボ毛に関して、伐採を依頼すべきかどうか、ギリギリまで悩みそうだ。
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