11月11日。
ワンワンによるワンワンのためのワンワンの日ということだろうか。
何でも、犬雑誌の撮影会やゲーム大会、ドッグランの無料開放など、まる一日犬のイベントが目白押しということだったので、とりあえず出かけてみることにする。

まず最初の目的は、犬雑誌の撮影会だ。
午前10時から整理券が配布されるらしい。
何だかオオゴトの予感が漂うが、とりあえず10時前くらいに現地に到着すればよいだろうと予測を立てて、前日やや夜更かしをしてから就寝する。
どんな服を着ていこうかとか、ケツ毛を刈りそろえていたほうがよいのだろうか、などという高ぶった気持ちは全く湧いてこなかった。
最初に参加した犬イベントであるレースの前夜は興奮でなかなか寝付けなかったものであるが(←子供か)、数々のイベントを経て飼い主もオトナになったようだ。

だが、そのオトナの余裕がいけなかったらしい。
目が覚めると午前10時だった。(←やっぱり子供か)
それでも、とりあえず、ガーデンフィールズには行ってみることにする。
ワンワンの日にちなんでいるのだから、きっと年に一度しか開催されないイベントに違いない。
せめてドッグランの無料体験(今更体験というもの何だが)くらいには参加して、ワンワン言ってみたいのである。(飼い主が)
ところが。
ガーデンフィールズに到着するや否や、大粒の雨が降り出した。
まだ(かろうじて)午前中だというのに、まるで夕立のように見事な降りっぷりである。
これでは車の外に出ることもままならない。
飼い主たちは車の中で途方にくれていた。
ドッグランに来たと思い、狭い車中ではしゃいでいたハルさんも雨の気配を感じたのだろう、その目から光が消えてしまった。

そして、何より、ハローバイバイの都市伝説本に登場する予定であった(←嘘)、ヘクティ神話が崩壊してしまったのである。
そのうち、激しく地面に叩きつけられる雨によって、そこかしこに水溜りが出現し、幾多の排水溝がゴボゴボと苦しそうな悲鳴をあげる中、ヘクティの目からも光が消えた。
やがて雨はやんだ。
しかし、とある(自称)晴れ男のささやかなプライドに傷をつけた雨は、当然の帰結として、短足犬が自由に走ることができたはずの世界を一変させていた。
とりあえず、ペットショップの建物内には入ってみたものの、人と犬でごった返す店内で何ができるわけでもない。
ハルさんは、久しぶりに出会った敬愛する姐さん、ワカちゃんとの逢瀬を耳ペタで楽しんでいたが、二匹には、僅かにとっくみあうスペースも許されていなかった。

在りし日のワカちゃんとハルさん
雨によってズタズタに切り裂かれたヅカの地に留まっていても、得られるものは何もないだろう。
そう決意した(元)(自称)晴れ男は、しばらくの間、空を見上げた。
そこには、これからどこへ向かうべきか、はっきりと描かれているように思えた。
行こう。南へ。
意味が分からず、きょとんとする飼い主の片割れと犬を連れて、車は走り出した。
****************************************
せっかくのワンワンフェスタだったのに、ぐうたらな飼い主のせいで全く楽しめなかったハルさんに慰めのクリックをお願いします。

けれど、実は、南に行ったのは大正解でした。
南の地で繰り広げられたハルさんの大奮闘記が気になる方はこちらも
クリックお願いします。
