宿の周辺までうっすらと霧に包まれており、周囲の状況が全く分からない中、部屋に荷物を置き、とりあえず食堂へと向かう。

※この写真は夕食後、誰もいないときに撮影したものです。
ハルさんを連れて食堂へ入ると、この日は平日にも関わらず、殆どの席が埋まっていた。
犬連れ可の宿がそれほど多くないせいもあるだろうが、やはり人気のある宿ということなのだろう。
席について、周囲のテーブルを見回してみる。
案の定、全てのテーブルの下にも犬の姿があったが、どの犬も本当に大人しかった。
時折、たくさんの犬が集まっている場所であることを忘れてしまうくらい、ゆっくりと落ち着いて食事を摂ることができた。
まずはオードブル。

野菜がとにかく美味しい。
アスパラ以外は宿の近辺で採れた野菜ということだった。
野菜高原地帯で採れた野菜の旨さは格別である。
続いて出されたコーンスープもびっくりするくらい甘くて思わず頬が緩んだ。

ついついお酒も進み、最後にステーキが出てきた時にはワインボトルを追加してしまう。

このステーキ、わさび醤油でいただくのがポイントだそうで、この日は、わさび農園に始まり、正にわさびづくしの一日だった。
もちろん、わさびを食せないハルさんにとっては全く興味のない話題である。
抗議の視線を飼い主に浴びせるのかと思いきや、旅の疲れが出たのだろうか、テーブルの下で眠りこけていた。
食後のデザートをコーヒーを楽しみ、ハルさんを起こして食堂を後にする。
すると、食堂の隣の談話室(のような場所)で他の飼い主さんたちが話をしているのを見つけたので、ハルさんを連れてお邪魔する。
そこにいたのは、黒いトイプーちゃんとアプリコットのトイプーちゃんであった。(名前を忘れてしまった・・・)

どちらもハルさんの大好きなトイプーちゃんだったが、まだ眠いのか、ハルさんはやる気なく寝転がり、他の飼い主さんに撫でられるがままであった。
トイプーちゃんたちは、
「このコーギー、覇気が無いわね。きっとヘタレなんだわ」
と思ったことだろう。
この夜までは・・・・・・。
翌日。
またまた夜の間に降っていた雨(これで3日連続の夜雨だ)も朝になると上がっており、ハルさんの体力も回復したようだ。

この日も静かな食堂で朝食を摂り、

宿を出発・・・・・・する前に、昨日は暗くて分からなかった宿の周囲を見てみると、素敵なテラスとドッグランが併設されていることが分かった。

早速、ハルさんを連れてドッグランへと乗り込む。
地面にはウッドチップが敷かれており、いかにも走りやすそうだ。

充電完了したハルさんがウッドチップを巻き上げ、上機嫌で無駄走りをしていると、

そこへ、昨日、談話室で出会ったアプリコットのトイプーちゃんがやってきた。
「アラ。昨日のヘタレコーギーじゃない」
と思った(のかどうか定かではないが)、一瞬の後。
元(自称)ヅカの暴走王。
21世紀の悪女。
女フードファイター・ギャル春。(←なんか違う)
数々の異名を持つハルさんがついに動いた。
まるで女豹のように、トイプー狩りを始めたのである。

いつもは狩られ屋専門のハルさんであるが、このトイプーちゃんなら気がよさそうだし、年下だし、狩れる要素が揃っていると思ったのだろうか。
嬉しそうにトイプーを狩るハルさんの姿がそこにはあった。

ハルさんの狩猟シーンが見られるなんて非常に稀なことであるし、トイプーちゃんの飼い主さんが嫌そうでなかったこともあり、しばらく見守っていたのだが、結局、トイプーちゃんが心を開いてくれることはなかった。

ハルさんのトイプー愛はまたもや片思いで終わったのである。
よく相手をしてくれたトイプーちゃんの飼い主さんに礼を言い、ドッグランを後にして、宿を出る。
出掛けには宿の方からハルさんのためのオヤツまでいただいた。
設備が整っているうえに、宿の内装も凝っており、居心地よく過ごすことができたと思う。
たびいぬの旅が、ようやく最終日を迎えた。
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嗚呼、調子に乗って狩りすぎたのかもしれません。
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