
その中でも驚いたのは、ハルさんを連れてテクテクと数十メートル歩いたとき、見知らぬおっちゃん(恐らく観光客)が我々をビシッと指差して言い放ったひと言。
「この犬、さっきから3匹連続やで!!」(←脳内で長野県の言葉に変換してください)
おっちゃん(←誰?)が、思わずそう漏らしてもらうほど、この日はコギさんが数多く入園していたようである。
そこで私たちが、清流に包まれて育むわさびを眺めつつ、コギさんの存在を探していたところ、何と運よく一匹のコギさんと出会うことが出来た。

このコギさんの名前は「ハッピー」ちゃん。
ハルさんとは約一月違いの、いわゆる「オナイ」というやつである。
このハッピーちゃんは、たびいぬハルさんとは違い地元のコギさんで、まあいわゆる「ジモッティ」である。(←いわゆるが多い)
ハルさんも久しぶりの同族との出会いに喜び勇んで駆け回る・・・・・・と思いきや、しばしの間、フンフンと匂いを嗅ぎ合った後は、お互いに相手の飼い主さんに愛想を振りまき始めた。結局、犬同士の交流は見られなかった。
しかし、お互いに関心を抱かないフリ(きっと気にはなっているはず)をすることで無用なトラブルを避けようとする知恵なのかもしれない。
ハルさんもハッピーちゃんも、もういい年をしたオトナのオンナなのだ。クールに挨拶を交わすだけでお互いに落ち着けることも、成長の証と考えることだって出来るかもしれない。
もちろん、単に暑かっただけという噂もあるが・・・・・・。

最後に二匹並べて記念写真を撮らせていただき、ハッピーちゃんとお別れする。

吠えもせず、暴れもせず、人懐っこくって、非常に可愛らしいコギさんであった。
その後、帰る際に、目論見どおり生わさびを買って帰る。
さらに、大王わさび園にはなかったけれど、道すがら立ち寄ったみやげ物屋さんではチューブ入りの生わさび(!)を買うこともできた。
さすがは安曇野。

ビバ長野県!
気分がヒートアップしてきたため、そろそろ宿へと向かう時間が差し迫っていたにも関わらず、妻と愛犬の反対も押し切って寄り道してしまう。実はもうひとつ、前々から行きたいと思っていた所があったのだ。
ぐるぐると山道を登ること数十分。
そこは松本盆地を一望できる美ヶ原高原!
の、はずだったが。

空は凶暴なほどの黒雲が次から次へと湧いており、視界はすこぶる悪い。雨が降っていないのが不思議なくらいの天気だ。
しかも、物凄く寒い。
慌てて長袖のシャツを着込んだが、それでもなお、じっとしていられないほどの冷気が襲ってくる。
標高2000mを超える高地がいかに過酷な場所であるかを、身を持って体験したハル一家(特に半パン半袖で降り立った私)であった。
ここ美ヶ原高原には山上に美術館が開かれており、野外の彫刻群エリアには犬も一緒に入れるという情報を入手していたのだが、やっぱりというかなんというか、辿り着いた時には既に閉館していた(涙)。

呆然と立ちすくむ妻Mと愛犬Hから無言の抗議を受ける。

こ、こうなったら、とにかく天気だけでも晴れてくれ!
素晴らしい景色を見せてくれ!!
ぬぅおおおおっっ!!!
ありったけの力を込め、気圧を上げる。(←大嘘)
すると。
ほんの少し、晴れ間がのぞいた!!

のも束の間、山上から吹き降ろされる霧のような雲に、青い空はかき消されてしまったのであった(涙)。
すっかり意気消沈し、宿へと車を走らせる。
途中、前が見えないほどの霧に襲われ、ほうほうの体で宿に辿り着いた時、辺りはすでに暗闇に覆われていた。
つづく。
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すっかりオトナのオンナに成長した(?)ハルさんに、クールなテチをお願いします。

たびいぬシリーズもようやく残りわずかとなりました。
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