そんな中でも、前々から一度行ってみたかったところには念願かない、訪れることができた。
そこは、能勢町という大阪の里山には似つかわしくないような、そうでもないような、不思議な佇まいをみせるレストランである。
テラス席ならペットOKという情報を入手したので、ハルさんを連れて行った。
受付で
「犬を連れてきているんですが」
と言うと、
「外につないでいただいたら大丈夫です」
との返事があったので、ハルさんと共に外のテラス席でまったりと料理が運ばれて来るのを待つことにする。
あたりは初夏特有のほんのり暖かい空気に包まれている。
時折流れる風がその暖かさをさあっと押し流していく。
空気は霞み山々に薄いベールをかけ、

テラスに咲く花々は受け止めきれない陽の光を爽やかにはねかえしていた。

毛皮を纏った四本足の生き物には少々暑い季節だったのかもしれないが、

飼い主共々かなりゴキゲンで料理を待った。

しかし。
待てど暮らせど誰も来ない。
水さえもない。
これはおかしい。
ということで、受付に行ったところ、待ち構えられたように
「ささ。食事は中のほうでどうぞ」
と宣告される。
よくよく聞いてみると、食事は中でしかできないのだと言う。犬は外につないでおいても良い、という意味でのペットOKだったようだ。
確かにテラス席は小さすぎて、とてもコース料理がのるような雰囲気ではなかった。
つまり、ハルさんを連れてきた意味がなかったわけである。
食事が可能な場所をきちんと確認しなかった飼い主、痛恨のミスであった。
で、肝心のハルさんである。
外につないでおいてもよかったのだけれど、飼い主の姿が見えないのであれば、留守番し慣れている場所のほうがいいだろう、と車中に戻されることになった。
折角ゴキゲンだったハルさん、突然の状況変化に、さぞかし憤懣やるかたなかったことであろう。
「あの笑顔、どうしてくれるのよ!」
とハルさんは思ったに違いない。
「スマイルください」と言われて笑顔を返したのに、何も買わずに去っていかれた時のマクドの店員さんの気持ちがよーく分かったのかもしれない。

ま、それはともかく。(←ひどい)
ようやく食することが出来た料理はどれも素晴らしかった。

何より野菜が味わい深い。
わざわざこのような里山に店を構えたのはこのためか。

店内は清潔で広々しており

デザートの時は窓際の席に代えていただいたのだが、

窓から見える景色は心をホッとさせてくれた。

いつまで見ていても飽きない、そんな風景。
食事を堪能した後、折角のお出かけなのに車の中で待っていてもらったハルさんを連れて公園に行く。
既に陽光が陰りはじめていた園内は昼間の喧騒が嘘のように静まり返り、ようやく自分の時間がやってきたハルさんはご満悦であった。
無理もない。ずっと車の中で待ち続けていたのだから。

そして最後は、そんな鬱憤を晴らすかのように、大草原の真ん中でフンチョスタイム!

さぞ気持ちよかったことだろう。
(もちろん、フンチョスは持ち帰りました)

〜Fin〜
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