外はいい天気だ。
ハルさんと共に家に引きこもっていても仕方がない。

二日酔いの頭をぶらさげながら、ハルさんと一緒にMを仕事場に送っていく。
その帰路。
まだ朝食を摂っていなかったので、マクドのドライブスルーでバーガーのセットを購入し、近くの公園でハルさんを連れて食べようと思いつく。
ナビで探してみると、千里北公園というところが大きくてよさそうだ。
到着した千里北公園は本当に広かった。
公園というよりは、ただの原っぱというほうがしっくりくるかもしれない。
しかし、左手にハルさんのリード、右手にマクドの袋を持っていたので、写真を撮る余裕がなかった。
一人で散歩するのも何かと不自由である。
こうして、のんびりと草の上で朝食を摂ったあと、周りに誰もいなかったので、ハルさんのリードを放してブラブラと歩いてみた。
ここは、公園といいながら自然の地形がそのまま残っているので、起伏に富んでいる。
ハルさんが利かない鼻で草地をクンクンしている間に、こっそりと近くの斜面を下り降りてみた。
ハルさん、鼻が利かないものだからクンクンしている時間が長い。
けれど、飼い主の姿が見えないと不安になるタイプである。
案の定、しばらくすると、斜面の下に飼い主の姿を認めたハルさんは斜面ダダダッと駆け下りてきた。
だが、この斜面の一番下にはちょっとした窪みがあり、私も斜面の最後でちょっとジャンプしてこの窪みを越えてきた。
もちろん、ハルさんは、嗅覚、聴覚は人間のウン万倍、身体能力も人間以上といわれる犬である。
この窪みに気づかぬはずはない。
だが。(もうすでにお分かりかと思うが)
しかし。
ハルさん、窪みには気がついたのだけれど、気づくのが遅すぎた。
短い前足がくぼみに引っかかってしまったのである。
斜面を全速力で駆け下りてきたそのスピードで、ハルさんの顔面は地球に突き刺さった。
ドゴンッ!と鈍い音が辺りに響き渡る。
さすがの飼い主もちょっと焦って、ハルさんの元に駆け寄ったが、なんとハルさん、何食わぬ体を装って、手近にあった草の匂いを嗅ぎ出した。
顔面が刺さった瞬間の表情が苦痛に歪んでいたのを、この両目でしかと見たはずなのに。
彼女を支えているのは一体何なのだろう。
(一応)犬としてのプライドなのか。
それとも、オトナのオンナのプライドか。
はたまた、単に鈍いだけなのか。
いずれにせよ、ハルさんは何ともなかったようだが、そうなるとこの決定的瞬間の写真を撮り損ねた悔しさが込み上げてくる。
あまりに悔しいので、以前、コギ山の斜面でクース君が似たような顔面ダイビングをしていた写真を載せてみる。

(この写真もキチンと写っていないのだけれど)
ハルさんといい、クース君といい、犬がこんな失敗をするなんて、思いも寄らなかった。
いや、それともこれはコギ族に限ったことなのだろうか。
そういえば、このときもクース君、何食わぬ顔をして再び走り出していた。
犬、いや、コギ族の頑丈さが人間の数万倍であることは認めなければならないだろう。
こうして、千里北公園を後にした飼い主は、(恐らく)傷心のハルさんを連れて、最近、開発が進んでいるという彩都というところへ行ってみた。
目的地は彩都の住宅街にあるドッグカフェ、「cafe Begum」。

ここで飼い主はパスタセットを食べ、ハルさんと共にまったり過ごす。

看板犬のラブラドールはとても人懐っこく、お腹を見せて歓迎してくれたので撫で繰り回す。
ハルさんもオヤツを食べることができて満足そうである。

オヤツを一つ食べるだけで、全ての嫌な思い出をリセットできる犬、ハルさん。
そんなコギ族の食欲は人間の数億倍あるに違いない。
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またまたハルさんの(犬としての)能力の低さが露呈してしまいました。
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