ハルさんを置いて旅行に出かける時など、次のような会話が頻発する。
「ハルちゃん元気かなー?」
「大丈夫、寝てるって」
「ううっ。ハルちゃん元気かなー?」
「大丈夫、今頃ゴハンにがっついてる」
「うううっ。ハルちゃん元気かなー?」
「だいじょうーぶ。今頃屁ぇこいてる」
「・・・・・・それ、なぐさめてくれてんの?」
「・・・・・・何となく」

だが、つい先日、ハルさんを留守番させて外出したときのこと。
ふいに飼い主Mは、「ああっ!!」と、まるで家の鍵をかけ忘れて出てきたかのような叫び声をあげた。
「どないしたん?」
「出かける前、ハルちゃんにオヤツあげてきたんやけど、『ヨシ』って言うてくるの忘れた!」
「大丈夫、そんなもん絶対食べてるって」
「いや。ハルちゃん、ああ見えて結構律儀やから、食べずに待っていたらどうしよう」
「そんなんありえへんって。家から人の気配が消えたら食べてる」
「でも、昔ゴハンを前に20分くらいマテしてたこともあったやんか?どうしよう?ハルちゃんがずっとマテしてたらどうしよう!?ハルちゃーーーん!!」(←かなり誇張して書いてます)

果たして、帰宅した飼い主を待ち受けていたのは、オヤツのカケラすら残さず平らげているハルさんの姿であった。
ハルさん、飼い主Mが思っているほど忠実ではないのである。
まあ、それくらいの柔軟性は持ち合わせていてもいいとは思うのだけれど、やはり物事には限度というものがある。
先日、飼い主Mが出勤する前、ハルさんの鼻先に留守番用オヤツを置いたままトイレに行ったときのこと。
トイレから飼い主Mが戻ると、ハルさんは慌てたそぶりで自分のハウスに潜り込んだらしい。
不審に思った飼い主Mがハウス内のハルさんを覗き見たところ、なんとハルさん、こっそりとオヤツのうちのひとつを口に咥えていたそうな。
飼い主がもう外出したと思ったのか、はたまたマテをし続けることに飽きたのか、その理由は定かではないが、このハルさんの行動は明らかにフライングである。

このとき、ようやく謎のゲージが満タンになったMは、
「ハル。口の中のモノを出しなさい」
と冷ややかに言い放ったそうな。
いつもと異なる空気感に圧倒されたハルさん、すぐさまポロリと口の中のオヤツを吐き出し、ハウスの奥のほうで縮こまっていたらしい。
こうして、前回の「ワンワン拡張大作戦」に引き続き、ハルさんの次なるミッション「マテからの解放」も大失敗に終わったのである。
だが、出勤前で時間のなかった飼い主Mは長々と説教を喰らわせる余裕がなかったため、ハルさんは一喝されただけで済み、九死に一生を得たのであった。
まあ、ある意味ではよかったんじゃね?ハルさん。

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