
先週の話になるが、夫がそう主張するので、二日酔い(←またかよ)の体を引きずってドッグランへ行く。
けれどもまずは食事である。
夫婦揃って二日酔いだったけれど、おなかは空いていたのだ。
夫はハンバーグ、妻はカレーを注文する。
こういうとき、妻がカレーを注文してしまうのには、実は理由がある。
昔、アルバイトしていた飲食店でのことである。
その店で、たとえばこんな風に言ってみる。
「今日はちょっと胃の調子が悪いので(賄いはいいです)」
すると店長が嬉しそうに(←この時点でもうおかしい)こう言うのだ。
「なに!?それはイカンな山田(仮)ちゃん!
調子の悪いときはカレー!カレーやで山田(仮)ちゃん!
カレー食べたら何でも治るんやで山田(仮)ちゃーん!!」
そして、問答無用で大盛(←何故)のカレーが出てくるのである。
得体の知れない微笑みとともに出されるカレーが果たして優しさなのか嫌がらせなのか、ついぞ知ることはできなかったが、とにかくそういった紙一重的なことが約2年間続き、結局「調子の悪いときはカレー」が刷り込まれてしまった(←思う壺)。
まあそれはともかく。
食事を終えた私たちは、ようやくドッグランへと入場する。
しかしどうにも体調がよろしくない。ハルさんと一緒に走り回れそうにない。
気の合うワンコがいてくれればよいのだが。
結局、ハルさんと気の合うワンコはいなかった。
何度か追ってくれたワンコがいるにはいたのだが、残念ながら彼(彼女?)は、ハスキーであった。
美しい上に心優しく、明らかに手加減して走ってくれていたのだが、ハルさんの許容量をはるかに超えていた。

こういうとき、ハルさんが大型犬とも遊べたらいいなと思う。そうすればこの美しく心優しいハスキーを抱きしめ放題だったのに(←なんか違う)。
が、まあ誰しも苦手なものはある。それはそれで仕方がない。
それにしてもハルさん、全然走らない。ほんとうに走りたがっていたのか?と疑いの眼差しを夫に向けてみた。しかし夫は依然として「走りたがっている。オレには分かる」と強く主張するので、ひさしぶりにジョーを投入してみることにした。
ハルさんとジョーは以前、とてもラヴゥな時間を過ごしていた。
しかしハルさんの強い愛執がジョーの喉(笛)を破壊したことで、二人の蜜月は終わりを告げた。
今では見た目のとおり、スコスコと情けない声しか出せなくなったジョーである。
しかし一時はハルさんと恋人関係にあった男だ。
逢瀬もかなり久しぶりだし、案外やってくれるかもしれない。
そう思ってジョーを投げてみると、なんとハルさん、嬉しそうに追っていくではないか。

「ハル……なんか犬みたいやな」
「うん、ホンマに。いつもこうやと楽なんやけど」
「そやなー」
ジョーへの愛が復活したかに見えた。
しかし、投げること数回。突然ハルさんの動きがとまる。
ハルさんは地面に転がるジョーに見向きもせず、笑顔で飼い主のところへ戻ってきた。

飽きたらしい。
物言わぬジョーはその隙にボーダーコリーに拉致される。
飼い主さんの必死の追跡ののち、泥とヨダレにまみれたジョーが帰ってきた。
実はジョーには様々な顔色と表情の仲間がいて、夫がジョーを購入したときはたくさんの仲間と一緒にカゴに入っていた。
しかしこの日、ジョーの入ったカゴを見に行ってみると、中はジョーだらけだった。
顔色が悪い上にトホホな表情のジョーはとても不人気なのであった(涙)。
夫はそのジョーだらけのカゴから、1つを取り出した。
「ハルゥ〜、やっぱりプイプイいう方がええやんな〜。
これ買うたるわ。な、ハル

そういって夫がプイプイいわせながらレジまで持っていったのは。

やっぱりジョーではなかった。
今回のコはジョーを偲んで「キャサリン」と命名。
通称キャシーと呼ばれる彼女は現在、ハルさんとラブゥな時間を過ごしている。
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キャシーと戯れるハルさんは楽しそうですが、他の犬と戯れないハルさんの姿を見るのは何だか寂しいです。
ハルさんも既に2歳、もはや他の犬と遊ぶ気がなくなったのかもしれませんが、ブログ記事のためにも、飼い主が楽をするためにも、もっと走るんだ!絡むんだ!との願いを込めてクリックお願いします。
