柴犬っぽいが、模様が珍しい。黒地に黄色の細かいメッシュが入っている。
フレンチブルドッグなんかによく見かける模様だ。
調べてみるとこういう毛色を「ブリンドル」というらしい。
恐らくMIX犬だと思うのだが、ファーストインプレッションから、勝手に「サブロー」と呼んでいる(←ほんとうに勝手)。
朝、私が駅へ向かう時間帯、サブローは庭に放牧されていることが多い。
残念ながら朝は小走りを止めることができないので、心のなかで
「いってきます、サブロー(ハート)」
と声をかけるのが常であった。しかしいつか、じっくりサブローを見たいと思っていた。
そこで先日、夫とハルさんと一緒に散歩がてらサブローのいる民家へ行ってみる。
サブローは放牧こそされていなかったが、庭にいた。普段は奥の犬小屋につながれているようだ。
となりが空き地なのをいいことに、ハルさんともども近づいてみる。

2メートルほどの距離まで近づいたところで、サブローの尻尾がこれ以上ないほど下がり丸まっていることに気付く。
サブロー、犬は苦手らしい。
仕方がないのでこの日はおとなしく帰る。
しかしどうにも諦めきれず、昨日少しだけ早めに家を出て、サブローに会いに行ってみた。
いつものように庭に放牧されていたサブローは、私の姿を見ると近づいてきてくれる。嬉しい。
近くで見たサブローは、若々しいうえになんだか美人であった。
どうも女の子っぽい。でもサブローと名付けてしまっている。どうしよう。
どうしようもこうしようも、そもそも無認可なのでどうしようもないのだが、とにかくサブローの本名が分かれば、それですべての問題が解決するはずである。
迷子札でもつけていないかと首輪あたりを覗いてみると、果たしてサブローは、ものすごくオサレな迷子札をつけていた。
サブローなのに
(↑心から勝手)。
迷子札はシルバーで、平べったいドーナツを二つ組み合わせたような形をしていた。
みたことがないタイプのものだったが、とにかくオサレでとても素敵だ。
とにかくこれで、ようやくサブローの本名がわかるのだ。
張り切って迷子札を読む。
「ババ」
……サブロー・ババ?……(プピッ)。
思わず噴き出したのがサブローの気に触ったのか「バフッ」と吠えられたので、退散する。
電車に乗ってからよくよく考えてみると、「ババ」はきっと飼い主の苗字だ。いくらなんでも「ババ」はない、と思う、たぶん。
そんなわけで、結局サブローの本名はわからずじまいなのであった。

****************************************
(おそらく♀の)サブローですが、他の犬はちょっと苦手なようです。
でも、いつかハルさんと仲良くなってくれるように、テチッとクリックお願いします。
