滅法早起きの両親が、いつものようにハルさんを小一時間くらい朝散歩に連れていってくれた後、私たちはまったりと遅い朝食を摂っていた(←完全人任せ)。

母「ハルは留守番のときはケージの中?」
私「そーや」
母「なんか可哀相やなー。けど二人が帰ってきたら大喜びするんやろなあ」
私「それはもう!ケージを開ける前から、鼻っ面でゴンゴンと
ケージをつついて、タイヘンやねんこれがグフー(←嬉しい)」
夫「……え?ハル、そんなことせーへんで」
私「……え?またまたー。するやろ?こうゴンゴンと」
夫「そんなんせーへん。開けるまで待ってる」
私「えっ!?なんで?ハルちゃん??」
思わず横でまったりしているハルさんに問いかける。
一瞬焦った様子だったが、効かない鼻で辺りをクンクンし始めた。
何だかあまり好ましくない事態が勃発したと判断したようだった。
再び目を上げると、そこには哀れみを湛えた夫の視線が。
夫「……妻……ハルにそんなんされてんの……」
私「……」
母「アンタ……」
気になって、家に帰ってから確認しあってみる。
すると、他にもハルさんの態度に違いがあることがわかった。
ハルさんは、夫がトイレに入っている間、外でスタンバっているらしい。
そして夫が出て来て目が合うと、なぜがビシッとフセをするという。
「妻は?」
「……一緒に入ってきて……辺りを『チェックしまち』(←著作権はモモ走ります!に帰属します)って感じでウロウロと」
「……へ、へぇー……」
「……」
段々沈み込んできた妻に、夫は必死で呼びかける。
「で、でも!リビングで寛いでいるときは大抵、妻にピトッて寄り添ってるやん?
あれええやん!俺、前から羨ましかってんなー」
「それはワタクシがハルちゃんにピトッてしてもらいたいがためにあえて床でゴロゴロしてるからで」
「……えっ……そ、そうやったん……?」
「夫がもう少しカメラいじる時間を減らして床でゴロゴロしたらきっとハルちゃんは」
「……」
「だいたいハルちゃん、ワタクシが必死で走っても、夫のときみたいにアッヒャーって走らへんし。
『M?大丈夫?』みたいな顔して小走りで併走するだけやし」

それは妻の足が遅いからだろう、と口に出さなかった夫は偉かったと今では思う。
が、このときの私にはそんなことを考える余裕もなく、一直線にネガティブ坂を転がり落ちていった。
しかし、夫はなおも食い下がる。基本はがんばりやさんなのである。
「で、でも!妻が散歩に行くと、ハル、オション場でちゃんとオションするんやろ?
すごいやんか!俺がこの前、オション場に連れて行っても、ハル、全然オションせんかったで!」
「……それ……励ましてくれてんの?」
「……」
夫婦間の議論では、ほぼ負け無しの夫が珍しく言葉に詰まった瞬間であった。
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今ではケージ、ゴンゴンしなくなりました。
ケージ出す前にマテするように教えたからですが。
でもこれからも、なんだかんだで甘やかしてしまうのでしょう(←反省してない)。
昨日はたくさんのテチをありがとうございました。
夫は声がかすれるほど「ゴハン」を連呼していました。
近所迷惑だったかもしれません。
もう、あんな約束はしないと言っている夫はともかく、「ゴハン」70連発に耐え切ったハルさんによく頑張ったのテチをお願いします。
