
(まだ昨年の話かよ、というツッコミはなしでお願いします)
この冬の最中、何を思ったか私は家の中でソフトクリームを食べていた。
どこで買ったたのか思い出せないのだけれど、とにかく家のリビングでソフトクリーム食べていた。
ちょうどそのとき、何かの番組を録画しようとしていたのだろう。
床に座って、レコーダーのリモコンを右手で操作しながら、左手には食べさしのソフトクリームを持っていた。
ご存知のように、ソフトクリームを長時間放置すると上のクリームが溶けて垂れ落ちてくる(←これは舐めとればリカバリー可能だ)し、最悪の場合は、コーンの最下部が溶けてクリームが流れ落ちてくる。(←こうなるとソフトクリームの奴隷にならざるをえない。屈辱だ)
なので、それなりにソフトクリームを気にしながらリモコンを操作していのだが、突然、ヌルッとした感触が左手の甲を伝わった。
しまった!
クリームを溶かしてしまったか!?
と、慌ててソフトクリームのほうを見ると、そこにはハルさんの顔があった。

私の顔とソフトクリームの間に。
普段は椅子やソファにかけて食事をすることが殆どなので、ハルさんは飼い主の姿を恨めしそうにジト目で見るしかないのだが、この時はひょいと首を伸ばせる距離に美味しそうな食べ物が漂っていたのである。
思わず、寝ている千秋先輩を見かけてしまった“のだめ”のように、「はぅーん」と口をつけてしまったのだろう。
しかし、ハルさんは何を思ったか、ソフトクリーム本体には口をつけず、私の手を舐めてしまったようだ。
スパルタ教育で培われた理性と、食物を求める本能がせめぎあい、こんな中途半端な行動に出てしまったのだろうか。
いずれにせよ、私と目が合ったハルさんは、
「しまった!!」
と大きく目を見開き、大慌てで自らの「聖域」ケージ内に逃げ込んだ。
あまりの突然の出来事に驚いた私は、ソフトクリームの無事(舐めた形跡はなかった)を確かめるのに気をとられ、ハルさんを叱るタイミングを逸してしまった。
しかし、見つかった後の行動を見る限り、相当反省しているのでないか、そう思い、聖域に逃げ込んだハルさんをそっとしてあげることにしたのである。
しかし。
10分経過してもハルさんは出てこない。
これは相当のショックを受けているのだろうか。
「ああ、ワタシったらご主人様のお召し物に口をつけるなんて・・・。もう生きていけない」
とでも思っているのかもしれない。
そっとハルさんの様子を伺うとケージの先に鼻っ面が見えた。

なんとなく反省している、気がする。
最近、甘やかし気味だし、たまには大いに反省することも必要だ。
そう思い、放置していたのだが。
20分経過しても、ハルさん未だ出てこず。
・・・これは、流石に可哀相だ。
ちょっと放置プレイしすぎたかもしれない。
そう思い、ケージを覗いてみたところ、

ハルさんはぐっすりと寝ていた・・・・・・。
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そりゃ、この日は走り回って疲れていたのかもしれませんが、見事に期待(?)を裏切られた哀れな飼い主は・・・・・・、もう笑うしかありませんでした。
でも、目の前にある美味しそうなソフトクリームには口をつけなかったハルさんに、一応頑張ったのテチをお願いします。
