本来ならば、昨年のドッグランの話などするべきでないのは重々承知なのだけれど、なんといってもこの日、ハルさんは生涯最大のピンチを迎えたのである。
いや、史上最大の大物を釣り上げたというべきか。
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2006年12月31日。
長らく走る機会がなかったハルさんを不憫に思い、いつものヅカ・ドッグランへと連れていったのだけれど、さすがに一年の最後の日にドッグランに行こうと思う人は少ないらしく、ガラガラ状態であった。
しかし、そこには一匹のコギさんが。
その名はマルちゃん。

体重はなんと7kgのちびコギさんであった。
他の犬を怖がっていたようであったけれど、ハルさんの執拗なアタックを受け続けた結果、

反撃に転じ、

ついにはハルさんを追うようになってくれた。

この様子をみた飼い主さんも「他の犬と遊ぶようになったのは初めてです!」と感慨深げであった。
一方のハルさんは「マル」と「ハル」の区別がつかないらしく、マルちゃんが「マル!」と呼ばれるたびに、マルちゃんよりも早く飼い主さんの元へと駆けつけ、満足気に撫でられていた。

こうして、ハルさんとマルちゃんは、ほのぼのと遊んでいたのだが、そこへ通りがかった黒い影・・・。

この犬は「グレートデン」といい、古くはイノシシ狩り(!)をしていた犬種である。
なんと、今年の干支を狩る犬であるからその大きさも凄まじい。
人が背中に乗れそうなくらいである。

そのグレートデンのところへ、暢気に追いかけっこをしていた二匹のコギ族が向かっていった、その時!

ちょろちょろ走り回るコギ族がうっとうしかったのか、はたまたコギ族が「うりぼう」に似ていたからなのか、グレートデン君がマルちゃんをロック・オンしたのである。

彫像のようにたくましい巨体を躍らせて駆け出すグレートデン。
恐怖に駆られて目を見開くマルちゃん。
そして、木の陰に隠れてやり過ごそうとするハルさん。(←卑怯者)
この決定的瞬間を捉えたカメラが次に捉えたのは、グレートデンに狩られるマルちゃんの姿であった。

「ああっ!マルーッ!!」と叫ぶ飼い主さんの声が耳に届く。
ここはサバンナなのか!?
「ドッグラン」が「野生の王国」と化した!!
誰もがそう思った瞬間。

グレートデンは必死で逃げるマルちゃんに急接近したかと思うときびすを返して走り去った。
急死に一生を得たマルちゃんを出迎える飼い主さん一家。
接近したときに、マルちゃんがうりぼうではないことに気が付いたのだろうか?
いずれにせよ、良かった良かった。
でも、ちょっと面白かった。
と胸を撫で下ろしていた時、なんとグレートデンは木陰に隠れていたハルさんの下へと向かっていたのである。

その目は、「オマエみたいな卑怯者は天が許しても俺様が許さねえ」とでも語るかのようである。
どうする、どうするよ、ハル!!?
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