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『ティンブクトゥ』
死んだら行く場所。
そこでは食べ物や夜の寝場所を心配することもない。
言葉だって関係ない。だからそこでは人と話をすることもできる。
犬のミスター・ボーンズは、飼い主ウィリーにその場所のことを何度も聞かされ、いつしかその場所の存在を信じはじめる――。
ポール・オースターは、もともと大好きな作家である。
出版されている本はだいたい読んでいる、と思う。
しかも、最近の彼の小説は、読者を引き込む力にますます磨きがかかり、いつも一気に最後まで読まされてしまう。
ところが『ティンブクトゥ』はなかなか読み進められなかった。
それもこれも、犬のミスター・ボーンズが主人公だったからだ。
ウィリーが大好きで、ずっと一緒にいたくて、でもウィリーの命はあと少しで終わってしまう。
そのときミスター・ボーンズが望むことは何か。
ミスター・ボーンズにとって、幸せとは何なのか。
それはそのまま、ハルさんに直結する。
ハルさんが望むことは何か。
ハルさんにとって、幸せとは何なのか。
それは永遠に答えの出ない問題だ。
けれど、犬飼いならきっと、考えずにはいられない。
ミスター・ボーンズの語ることすべては、もちろん作家ポール・オースターの想像に過ぎない。
しかしこの本は、この問題にたいする、ひとつの答えなのかもしれない。
人間のそばにいることを望み、許し、受け入れること。
それはすべての犬に備わった美しい性質なのだと、私も信じる。
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なかなか色々考えさせられた本でした。
今、ハルさんが望むことで私にわかる確かなことといえば、「もっと食べたい」くらいのものですが、そんなおバカ飼い主につきあってくれるハルさんをテチテチと褒めてやってください〜。



