2年ほど前の夫は「犬」という大波にもまれていた。
「なんかなー、」
インターネットを見ながら夫がいう。
「コギって毛がものすごく抜けるらしいよー」
「コギってかみ癖と吠え癖が出やすい犬種やねんなー」
犬種の検討から始まり、入手先、フード、しつけ等、実に様々な分野を十二分に検討したのち、夫はいくつかの結論を出した。
1.コギを飼う
2.ブリーダーさんから貰い受ける
3.フードは副産物なしのものを
4.妻は仔犬を甘やかしてはいけない
5.妻は仔犬を絶対に甘やかしてはいけない
1〜3についてはとくに問題なく受け入れられる提案であったが、4・5についてはひと悶着あった。
「だからー、そんなんせーへんって」
「ええか最初が肝心やで」
私の返事もろくに聞かず、夫は言い募る。
「しつけで大事なのは、飼い主がみんな同じ方針を持っているということやで!」
「うんうん」
「俺が怒ったあとで、妻が『コギちゃぁ〜ん、おぉよしよし』とか、絶対あかんねんで!」
「しないしない」
「……ホンマに?」
「ホンマにホンマに」
「……なんかなー……妻、ビミョーやねんなー……」
ジトっとした目で私を見る夫。怖いくらい信用されていない。
こんなんでよく何年も夫婦生活を営んできたものだ。
「なんやのん!
こう見えてもワタクシ、五月ちゃん(←昔実家で飼っていた犬)にオスワリとオテを教えたことがあるんやで!」
「や、そういう話じゃなくって」
「夫は犬飼ったことないやんか!
むしろワタクシを先輩として立てていく、くらいの気持ちが欲しいとこですよ!」
「じゃあ聞くけど、五月ちゃん、散歩のときリードは引っ張らへんかったん?」
「ウッ……さ、五月ちゃんは元気いっぱいが取り柄やからね!そらもうグイグイと」
「呼んだら来たん?」
「ウッ……2度ほど逃亡した……けど……」
「飛びついたりは?」
「飛びつかへん五月ちゃんは五月ちゃんやない」(←開き直った)
「……」
「……」
「……全然アカンやん(プピッ)」
というわけで、ハルさんがやってくる前、実は私も、夫の教育的指導を受けていたのであった。
スパルタ教育はハルさんだけではなかったのである。
(最近オスワリがグダグダなハルさん)
****************************************
でもまあ、おかげでハルさんは、吠えない噛まないインリン女豹なワンコに育ってくれたので(←意味不明)、よかったのかなと思っています。
これからもスパルタ教育は続きますが(←私も?)、ハルさんがんばれのテチをお願いします〜。



