2006年10月16日

ストライキ(Y)

ハルさんは一人と一匹で散歩に行くとそれなりに歩く。
飼い主が二人になるともうグダグダなので、過去にはこんな目にあったりしてきたのだが、どうやらあまり反省の色は見られず、今でも飼い主が二人と一人では歩き方が大分異なる。

ここで言う「それなりに」というのは、リーダーウォークっぽく歩くという意味なのだが、何故か一対一で歩くと割とよく出来た犬と歩いている気持ちにさせてくれるハルさんなのである。

特に、躾の基本(らしい)、アイコンタクトの動作(飼い主を見つめること)は、かなり頻繁に行う。

うふ。

だが、この視線は飼い主に何かを求めているような気がしてならないのである。
ハルさんが訴えている内容として可能性があるものをいくつか想像してみた。

1 「うふ。ワタシちゃんと歩いてるでしょ。褒めてよね。ワタシを褒めちぎってみなさいよ」

2 「うふ。歩いているうちにお腹がすいてきたの。ワタシに何かあたえてみなさいよ。さあ。さあさあ!」

3 「うふ。ワタシ、キレイでしょ。最近、とみにキレイになったってよく言われるのよねー。でさあ、やっぱりイイ女はイイモノを身に着けていけなきゃって思うわけ。隣町のカノンちゃんなんてエルメスよ、エルメス。まあ、エルメスまでいかなくても許したげるからさー。せめてヴィトンの首輪とかにして欲しいわけ、ワタシクラスにもなると。あ、でもアンタあまり金持ってないもんね。はあぁ、やってらんないわよね、正直。どこかにお金持ちの飼い主いないかなー」

恐らく、正解は1番ではないだろうか、と飼い主はあらん限りの希望を込めて思う。
飼い主の横についてキチンと歩いていることを褒めてほしいのではないかと。
良いことをしたら褒めるのはしつけの王道だ。
なので、ハルさんと目が合うたびに「おりこーぅ」と褒めちぎるのである。
恐らく、一回の散歩で2、30回は「おりこーぅ」と言っているのではないかと思う。

けれど、ハルさんは褒められても特段のリアクションをすることはない。
褒められた後は黙って前を向いて歩き続けるだけである。
果たして飼い主の褒め声はハルさんに届いているのか。
一時期、これはひょっとして1番ではなく、2番、いや3番が正解なのではないだろうかと疑心暗鬼にとらわれたことがある。

そんなある日。
Mを迎えに行くのではなく、少し長めの散歩に出たときのことである。
ちょうどこのとき、私はハルさんと目をあわすこともなく、何か考え事をしながら歩いていたようだ。
恐らく、日本の将来について考えていたのだと思うが(←大嘘)、結果的に、ハルさんのアイコンタクトを無視していたことになる。

すると。

道半ばくらいまで来たところで、急にハルさんが立ち止まり動かなくなった。
だが、これしきの散歩でハルさんが疲れて動かなくなることはまずないし、何かのニオイを熱心に嗅いでいるわけでもない。
理由もなく、道の真ん中で四肢を踏ん張り、歩くのを拒否しているのである。

正に「理由なき反抗」である。

反抗の芽は早めにつぶしておかねば!
と一瞬心が燃え盛った(ゴルア砲のスイッチが入ったともいう)が、そういえば、今日はハルさんと一度も目を合わせてなかったことに思い当たった。
そこで、ハルさんに「ツイテ」と言いながらリードを引っ張り、やって来たハルさんを褒めちぎってみた。

すると、その後のハルさん、何事もなかったかのように、スタスタと歩き出すではないか。
犬という生き物は、案外、聞いていないようで飼い主の発する言葉を聞いているという事実と、褒めることの大切さを思い知った瞬間であった。

そして、3番が正解ではなかったことに胸をなでおろした飼い主であったが・・・。

エルメスちゃん

・・・・・・コロス。

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ないものねだりをするハルさんですが、テチテチと褒めてやれば機嫌よく歩いてくれるやもしれません。
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posted by 飼い主YとM at 22:42| 兵庫 | Comment(7) | TrackBack(0) | ハル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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