先日、リンくんのしつけ教室を見学に行った帰りのことである。
リンくんの飼い主さんに連れて行っていただいた三田の公園で、ハルさんとリンくんとわふわふ遊んでいると、
「ハルちゃんは、お二人が別々の場所から呼んだら、どっちに来るんですか?」
と聞かれた。
ハテ。そのようなことを試したことがなかった、というか考えたことがなかった。
普段は夫が呼んでも私が呼んでも来たり来なかったりするハルさんだが、二人が同時に別方向から呼んだことはない。どうするのか、見当もつかない。
どちらでもいいといえばいいのだが、これからコーギースタイルの「お散歩スタイル!」コーナーに出たりしなければいけないので(←妄想)、ここらでひとつ、序列をハッキリさせておいてもいいかもしれない。
そんなわけでハルさんをなかみーさんご夫婦に見てもらい、夫と私は別方向へと離れていく。
途中、私が目一杯ハルさんにラヴビームを送っていたことはいうまでもない。
夫も私も所定位置につく。
すると、
「ダンナさーん!ちょっと距離が近いんじゃないですかー?」
夫、審判(なかみーさん)にファウルをとられる。
しぶしぶ後退する夫。オトナの態度を見せながら、彼も内心、本気と書いてマジモードなのであった。
審判(なかみーさん)の掛け声で試合開始である。
「ハァ〜ルゥ〜!お〜いで〜!!」
「ハルゥ〜!ハルちゃぁぁ〜ん!」
三十路を超えた共働き夫婦、必死の呼びかけ。
あまりにオトナ気ない姿とはいえ、夫も私も「ゴハンちゃぁ〜ん」と叫ばなかったことは褒めてもらいたい。
さて、ハルさんはというと、なんとまっしぐらにワタクシのところへ走ってきた。
もう7時を過ぎて、あたりはすっかり暗くなっていたのだけれど、そのときのワタクシには、ハルさんの周りに舞い散る花びらがハッキリ見えた。
(イメージ図)
勝利を確信したワタクシは、両手を広げ、恍惚の表情を浮かべてハルさんを待つ。
ハルさんとワタクシが抱きあったところで、ジャジャーンという感じの壮大な音楽が流れて、大団円でドラマは終了だ。
(ん) が。
人生とはとかく驚きの連続である。
なにを思ったか、ハルさんが急に方向転換する。
そして、そのまま夫のもとへ駆け込んでしまった。
抱きあう二人。あぁ、夫とハルさんの周りに、バラの花びらが散っている。
帰りの車でがっくりとうなだれる私に気を使って、夫が色々慰めてくれていたが、実はそれもあまり覚えていない(というか聞いていなかった)。
コーギースタイルの記事が思い浮かぶ。
「山田(仮)家が考える“ハル”の序列。
1位はYさん。やさしいけれど、しつけに厳しくときどき手作りオヤツをつくってくれるから。
2位はMさん。なんだかわからないけれど、ときどきゴハンをくれたり散歩に連れて行ってくれるから。」
一人で勝手にそんな文章を考えて、ますます落ち込む。
まぁ大切なのはハルさんが最下位であるということだ。夫婦間の序列はそれほど重要ではない。
その日、たまたま夫からゴハン臭がしたのかもしれないし。
そんなわけで、明日からもう少し熱心にハルさんにオヤツをあげることに(←わかっていない)。
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実は予想通りだったりもするんですが、最初にこっちへ走ってきてくれたことで、いらぬ期待を抱いてしまいました。やっぱりハルさん、悪女です。
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