「運動量が少ないと問題行動を起こしたりします。散歩はたっぷりと」等、よく飼育本に書かれていたりする。
しかし、なんと言ってもウチは共働きなので、朝晩みっちり散歩タイムがとれるわけではない。
ハルさんをウチに迎えるにあたって、散歩(運動量の確保)は大きな課題であったが、例え、仕事で帰りが遅くなったり、雨が降ったりで散歩なしの日があっても、ハルさんの態度は普段と変わらない。
散歩に連れて行けというような行動はしたことがないし、糞尿についてはインドア派なので、ノープロブレムなわけだ。
ある意味、そんなハルさんに甘えている部分は大きい、飼い主二人なのである。
なお、オマエ等の独裁政治のせいじゃないのかというコメントは今世紀中受け付けておりません。
だがもちろん、ハルさんを出来るだけ外へ連れだそうとは努力している。
そんなハルさんの散歩で一番多いパターン、それは最寄り駅までのお迎え散歩である。
これは、先に家へ帰った飼い主が、後から帰ってくる飼い主を、ハルさんを連れて駅まで迎えに行くという、何ともハルさん的にオマケのような散歩だが、非常に(飼い主にとって)合理的なので、乱発される傾向にある。
ハルさんを連れて、駅の階段の下でMを待っていると、世の中には犬好きな人が結構いるものだなあ、としみじみ思う。
特に、オヂサン。
年配の男性というものは、自分の感情をあまり表に出さない(出せない)ものだが、まるで忠犬ハチ公のように飼い主の片割れを待つハルさんを見る目は、限りなく優しく、口元はニコニコと微笑んでいる。
そんなオヂサン達を含め、大体、階段を下りてくる人の半数くらいは、ハルさんをフレンドリーな眼差しで見つめてくれる。
しかし、ハルさんはそんな犬好きな人たちをじっと見つめ返すものの、動じる気配はない。
そんなハルさんの態度を見て、おそらく、大半の方が「飼い主の帰りを待ちわびているんだろう。なんて忠実な犬なんだ」と思っていらっしゃるに違いない、と思う。
甘い。
大変失礼ながら、安達裕美の旦那に「あまーーーーい。あますぎるよ、○○さん」と見当違いの突っ込みを入れてもらってきてほしいほどだ。(←暴言)
では、飼い主が現れたときのハルさんのリアクションはどのようなものか、恥を忍んで語らせてもらいます。
まず、飼い主が階段のてっぺんに現れたとき、ハルさんは階段の上方を見つめて微動だにしない。飼い主の出現に気がついた様子は感じられない。
一方、飼い主は当然、ハルさんの姿を発見して、ハルさんを見つめる。
しかし、いかんせんハルさんとの距離はまだ遠い。
他にも階段を下りていく人もいることだし、まあ見つけられなくても仕方がないか、と思いつつ、階段を下る。
そのうち、飼い主は階段の踊り場に達する。
この頃になると、どうみても、ハルさんがこちらを見つめているようにしか思えなくなる。
そこで、
「おお、ロミオ」
と心の中でハルさんを呼びながら見つめる。
しかし、
「ああ、ジュリエット」
というリアクションは全く感じられない。
ハルさんは依然、こちらを見つめているが、単にどこかの犬好きな人がワタシを見てくれているから見つめ返しているのよ、という反応にしか見えない。
飼い主、がっかりしながらも、なおハルさんに熱い眼差しを向けながら、階段を一段づつ下る。
その距離、5メートル・・・4メートル・・・3メートル・・・ハルさんは気づかない。
これが果たして犬という生き物なのだろうか?
もっと、色んな事に対して敏感な生物だと思っていたのに。
そうして、ハルさんとの距離が2メートルを越えた頃、ようやく、ついに、やっとのことでハルさんが始動する。
「お帰りーっ!」
とばかりにリードを引っ張って、飼い主のもとへ駆け寄ろうとするのである。
遅い!!遅すぎる!!
と飼い主に冗談交じりの罵声を浴びせられながらもハルさんは嬉しそうだ。
しかし、犬は、飼い主の足音を聞き分け、匂いを嗅ぎ分けれるのではなかったのか?
あれも一種の都市伝説だったのか、それともハルさんが特別に鈍感なのか・・・・・・。
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ハルさんは鈍感なんかじゃない、単にちょっと鈍いだけだよという慰めのテチをお願いします。
