「ハルさん、シャンプーどうしたでせうね 。ええ、あのとき、駐車場からドッグランへ行くみちで、渓谷に落としたシャンプーですよ・・・・・・」(『海獣の証明』より)
と1ヶ月以上、遠い目で落日を見つめつつ、現実逃避してきたわけだが、他人様のお宅、それも新築の家にお邪魔するのに、昆布臭をプンプンさせた海獣を連れて行くわけにはいかない。うっかり大阪湾に還ってしまう危険性もある。
そんなわけで、久々にハルさんをシャンプーしてみた。
すると・・・・・・
「なんじゃこりゃーっ!!」
と叫びたくなるほど、毛が抜ける、抜ける。
今まで、「はぁ〜(ため息)ソレソレ」とブラッシングしながら、抜け毛祭りの終焉を心待ちにしていたわけだが、このシャンプーが引き金となり、ついに祭りは最高潮に達したようである。
そっとさわっただけで、毛が舞い散る。
ええい!ブラッシング、ブラッシング、ブラッシーング!!
10分経過・・・・・・。
「隊長!奴の勢いは一向に止まりません!」
30分経過・・・・・・。
「た、隊長!まるで白アリのように後から後から湧いてきます!」
1時間経過・・・・・・。
「た、隊長。もう駄目です。奴は不死身です!フェニックスです!!」
・・・・・・頼むよ、早く終わってくれ。
との願いも空しく、飼い主の体力が底をついたため、服を着せて兄宅へ行くことになったのである。
で、次の日。
相も変わらずガーデンフィールズのドッグランへ。
この日、ご近所ダックスのリン君とも会うことが出来たのだが、ハルさんは既にお疲れモード。
というのは、よく遊んでくれるジャックラッセルとハードプレイをしていたからである。
そんなハルさんにただひとつ、言いたいことがある。
「ハルさんよ。遊ぶのはいい。が、もっと地面が乾いたところで遊ぶように!水飲み場の近くで遊ぶから、シャンプーしたての体がドロドロやないか!!」
笑っている場合ではないよ、いやマジで。
これは新手の嫌がらせなのか?