休日といえば、ドッグラン。
ドッグランといえばハルさんである。
ハルさんがめでたく「世露死苦柴ドッグ応援隊」の入隊を認めてもらってから、実質初の特攻をぶちかます日がやってきたわけだ。
さあ、今日も一発ド派手に駆けずり回ってくれや!とリードを放した途端、弾丸のように飛んで行く・・・・・・はずが、あれ?
いきなり休日の駄目オヤジのようにゴロゴロ転がり始めるハルさん。
ぬう。
そういえば、今日は朝から眠そうで覇気がなかったハルさんである。
原因は大方検討がついている。
Mが月曜日休みをとったおかげで、飼い主が4日間連続して家にいるため、普段
どうも、飼い主がそばにいると、「起きてなくちゃ、損した気分になるわねぇ」と大晦日のガキんちょのように眠い目をこすりながら覚醒し続けてしまうようだ。
飼い主が1週間も家に居続けると、この犬は寝不足で死んでしまうんぢゃないか?
まあ、それはともかく。
これでは応援隊の端くれとして完全に失格である。
この体たらくでは、「新入りはナニ余裕ぶっこいてんだ?ああ!?遊びじゃねえんだよ!!」とボシロー先生から除名勧告をされかねない。
そこに、救世主のように、2匹もの犬がちょっかいをかけに来てくれた。
「さあ、特攻だ。ハル特攻!」
「ぢゃあ、ほら、バター犬」
NO〜!!ちっが〜う!!
「えぇー。仕方がないわね。ぢゃあ、数珠つなぎ」
だあーっ!!
誰がそんなミッキーロークのボクシングのような手ぬるいプレイをしろと言った!!
せめて、HGのプロレスくらいの動きを見せてくれ、ハルさん。
うん?
向こうに見えるのは、トイプーの群れではないのか?
おお、うようよと、まるでトムソンガゼルのようにハルさんの大好きなトイプーが
「ハル、あっちにトイプーがおるで」
「えっ!?キッラーン

何故、ハルさんがトイプーを好きなのかは分からないが、ぬいぐるみのように愛らしい顔立ち、可憐な巻き毛、すらりと伸びた四肢。
仔犬がウン十万で売れるわけだ。
一方のハルさんは・・・・・・、短足。胴長。大食い。すかしっ屁。
おそらく、コンプレックス以外の何物でもないのだろう。
早速トイプーの群れに突撃するハルさん。
「トイプーさん達、私と遊びましょーっ

と彼女は思っているのだろうが、端から見ればトムソンガゼルの群れに襲い掛かる豹のようにしか見えない。
「キャーッ!!野蛮なコーギーが来たわよ!皆逃げて逃げてーっ!!」
と散り散りに逃げ出すトイプーさん達。
ハルさんよ、今まで一度もトイプーと遊べたことなどないのに、何故諦めないのか。
ん!?
一匹のトイプーが遊んでくれている!!
最初、逃げ惑っているように見えたが、その実、ハルさんが遊ばれているではないか。
いやーよかったなあハルさん。
ぢゃあ、今日はトイプー特攻成功ということで。
ミッション完了。
・・・・・・ぬるい。
ベテラン戦士ならこれでも許されるのだろうが、新入りがこれでは応援隊の名が泣く。
巨人の工藤クラスになれば、タバコをプカプカ吹かしながら「最近の若手は体調管理ができていないねえ」と言ってもまかり通るんだがな、ハルさん。
そんなわけで、併設のドッグカフェで休憩して英気を養い、第二ラウンドを開始することにした。
続きは明日・・・・・・か明後日。多分。