2006年03月12日

走れハル(Y)

平成18年3月11日(土)

いよいよ運命の一日が始まった。

普段朝に弱い私(Y)だが、この日は「9時」という休みの日ではあり得ない時間に目を覚ましてしまった。
勝負事というものは、大体においてスタートラインに立った時点で勝敗がついているものである。
そう勝手に思い込んでいる私は、スタート1時間30分前にドッグランに到着するように家を出発する。

しばらくハルさんをドッグランで他の犬と遊ばせて、ハルさんの他の犬と遊びたい欲求をある程度満たしてからレースに臨むという算段である。

我ながら完璧な作戦である。

到着後、入り口でお金を払おうとしたら、
「あ、ハルちゃん。今日はレース出られるんですよね。どうぞ自由に使ってください」
と顔パスで通してくれたわーい(嬉しい顔)

ここで、Mがさりげなく
「今日は他にどんな犬が出るんですか?」と聞く。

いい質問だ。

「他には、ビーグルとコーギー、それにブルドッグも出ますよ」とのこと。

ビーグル?コーギー?ブルドッグ?
勝てるんでないの?これ?
と悪代官のように密かにほくそえむ飼い主。

さらに、係の人に
「いつもの走りっぷりで頑張ってね、ハルちゃん」と声をかけられる。

お?
結構期待されてるんじゃないのかexclamation&question

もしかして、密かに優勝候補とか話題になってたりとか。

そんな飼い主の傲慢な考えをよそに早速走り回るハルさん。
ウォーミングアップ.JPG

しかし、今日は遊びに来ているのではない。
しばらくして、ハルさんの体が暖まった頃合を見計らい、併設のドッグレストランで休憩する。
ハルさんの体を休めつつ、集まってくる犬達を偵察するという、これも作戦の一環である。

そこへ集まる犬達の走りを観察しながら、「あの犬が出たらヤバイ」、「あの犬には勝てる」など一喜一憂しているうちに、出場者は集合を言い渡される。

集合場所へ集まった7匹の犬。
ビーグルが3匹、コーギーが2匹、ブルドッグが1匹、そして柴犬が1匹。

柴犬!?

強敵の出現に焦る。
出るなんて聞いていなんですが!?

ハルさん、出場犬の証、バンダナを巻いてもらって笑っている場合ではないですよ。
バンダナ犬.JPG

しかし、妙に幼いので、年を聞いてみると、生後7ヶ月とのこと。
これだけちっちゃいと大丈夫だろう。

遊ぼうと近づくハルさん
遊ぶ?.JPG

ここで、出場者を前に、イシバシハザマのイシバシを数倍格好よくしたようなスタッフの人から説明が始まった。

「この福犬選びレース、多分、今回が最初で最後になると思います」

との衝撃的?な告白で始まったイシバシの説明。
さらに衝撃的な話は続く。

「ゴールまで真っ直ぐ走っても、レースとしては面白くないので、コース上におもちゃとか
オヤツとかを用意しています。ハプニングがあったほうが盛り上がると思いますので」

何!?

やられたorz
ハルさんが食べ物を前に素通りなどできるはずがない。

「のあーっ!!」
と思わず天を仰いだが、ふと横を見ると、同じようなリアクションをしている飼い主さんがいる。

フラッフィーのコーギー「リュウ君」(正式名はリュウノスケというらしい)の飼い主さんである。

「コーギーは食い意地が張ってるから、こんなのゴールするなんて無理ですよね」
と慰められるが、

このとき、体の中で何かが「ガラガラ」と音を立てて崩れるのを聞いていた私は

「え、ええ、そうですよね(あんなに作戦とかいろいろ立てたのにもうやだ〜(悲しい顔))」
と答えるのが精一杯であった。

ハプニングとかそういうの、こちらは必要としてないんですが、イシバシさん

さらにイシバシの説明は続き
「スタートの合図は今年の福男の粂さんにやってもらいますが、スタートラインには白い板を立てて、合図と同時にその板をパタンと倒すというやり方をします」

と言ったのを、放心状態の私は殆ど聞いていなかった。

しかし、この一言がレース上、決定的な意味を持つことに、このときはまだ思いもよらなかったのである・・・・・・。

こうして、イシバシの説明が終わり、会場に入ると、巨大なグルミットが登場、ギャラリーやマスコミも結構集まってきている。
ギャラリー.JPG

グルミット(ビーグルらしい。微妙)
グルミット.JPG

そして、コース上には仕掛けが点々と。
コース.JPG

ジャーキー発見!!
ジャーキー.JPG

そんな下見をしているうちに、いよいよスタートの時が迫り、各犬が入場して、スタートラインに着く。
Mはおやつでパンパンになった上着のポケットをハルさんに見せびらかせながら、ゴールに位置取る。

さあ、ハルさん、ついに来たよこの時が。
飼い主の胸も高鳴る。

うん?
しかし、どうも周りの飼い主さん達の様子がおかしい。

ついさっきまで「誘われたんで、何となく参加しちゃいました」みたいな雰囲気を醸し出していたはずなのに、みんな眼が血走っているようにしか見えない。

冷静さを失った飼い主さん達のせいで、各犬のスタート位置もバラバラである。

だが、ここで、スタート位置が下げられ、目の前に白い巨大な板が渡される。
なるほど、これで公平なスタートが切れるわけだ。
イシバシもなかなかやるじゃないか。

と思ったのも束の間、

あれ?

ハルさんの様子がおかしい。

突如として出現した巨大な板に対して明らかにびびっている!!

そういえば、ハルさんはゴミ袋とか大きな物が苦手だった・・・・・・。
こんな土壇場でハルさんがパニクるなんて想定外である。
勝負事はスタートラインに立った時点で勝敗がついている」という言葉が頭の中をぐるぐると回りだす。

必死にハルさんを持ち上げて、Mの姿を確認させようとするが・・・・・・、ハルさんの眼が泳いでいる

そうこうしているうちに時は過ぎ、無情にも「用意、スタート!!」の号令と共に、巨大な板がパタンと倒される。

もうこうなったら四の五の言っていられない。
作戦どおり、

「ロォケットスタート!!」

と心の中で叫びつつ、一気にハルさんのケツを押し出す!

ん?
手が重い。

ふと眼を上げると、そこには足に根が生えたように動かないハルさんの姿が。
板が怖くて前に進めないんやね。

2、3匹の犬は板など物ともせず、走り出している。
このまま終わったのでは、あまりに悲しすぎる。

「走れ、ハル。走るんや!」

と必死に叫ぶと、何を思ったのか、スタートラインから逆走し、ギャラリーの後ろへと消えていったがく〜(落胆した顔)

終わった。
何もかも終わった・・・・・・。

姿の見えなくなったハルさんの行方など、もはやどうでもよくなって、呆然と立ち尽くす。

レースのほうは、コーギーのリュウ君が素晴らしい足でゴールに迫るが、ゴールエリア内で愛犬を抱き上げないとゴールと認められないルールのせいで、リュウ君はなかなかゴールできない。

それもそのはず、血走った眼で愛犬の名前を叫び続ける飼い主さん達のところへ飛び込んでいくのは相当な勇気がいる行為である。

リュウ君がゴール前で躊躇している間に、一匹のビーグル(ルルちゃん)がリュウ君を追い抜きゴールインしようとしたそのとき、私の体に衝撃が走った。

なんと、ギャラリーの後ろから、

ひょっこりとハルさんが出現したのである。

驚いたことに、ギャラリーの裏を激走して、ゴールに飛び込んだのだわーい(嬉しい顔)

しかし、「Mよ、早くハルさんを抱き上げるんや!」
との願いもむなしく、Mはハルさんを抱き上げることなく、リュウ君を抜いたビーグルのルルちゃんが優勝した。

Mが言うには
「ちゃんとコースを走ってないのに、抱き上げて優勝を主張しても、ねえ」とのこと。
まあ、そりゃそうだ。

それに、「ウォレスとグルミット」にはコーギーが出てこないので、主役のビーグルが優勝してよかったのではないか、と負け惜しみを言ってみる。

こうして優勝犬が表彰され、レースは終わったわけだが、会場の注目を浴びていたのは、一匹だけ参加したブルドッグ。

コース上のジャーキーをむしゃむしゃと食いつくし、
ブルドッグ.JPG

グルミットに絡み付いて会場の笑いを誘っていた。
グルミット対ブルドッグ.JPG

試合に負けて勝負に勝った、というやつである。

一方、一匹で裏街道を走り誰にも見られることなくゴールインしたハルさん。
試合にも勝負にも負けたといえるわけだが、きちんとMのところまで走ったというところは褒めてやらねば。

帰り際、グルミットと挨拶をしてみる。
ご対面.JPG

ああ、それにしても悔しいふらふら




posted by 飼い主YとM at 23:30| 兵庫 ☔| Comment(8) | TrackBack(3) | ハル | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする