しかし。
しかしである。
今週は雨が多かったのと相変わらず帰りが遅いこともあって、ハルさんの特訓はほんの数分しかやれていない。
こんな準備不足で果たして大丈夫なのか、不安が募る。
ハルさんも不安なのか?
そんなことより。
果たして参加できるのか?
そこが大きな問題だ。
今日、ドッグランへ電話して聞いたらよかったのかもしれない、と今さら気づいたがもう時既に遅し。
とりあえず、明日行ってみるしかない。
どうせレースがあってもなくてもドッグランには行くんやし、ま、いっか。
うん?
というより、あちらから誘っておいて、当日になって参加を拒否するなんて
非人道的な行為が、
この民主主義国家で行われるはずがない。
そうだ。そうに決まっている。
そうと決まった(勝手に決めた)からには、作戦を立てねば。
うーむ。
作戦その1 「ロケットスタート」
レース会場はドッグランの半分を使って行うとのことだから、距離的にはそんなに長くない。
およそ20メートルというところか。
そうなると、スタートの重要性は否が応でも増す。
スタートダッシュを成功させるには・・・・・・。
「スタートと同時にハルさんのケツを押し出す」
これしかない。
これでロケットスタートの完成だ。素晴らしい。
作戦その2 「ラストスパート」
ハルさんは爆走犬だが、飼い主に突撃してくるような犬ではない。
飼い主がゴール間際で待ち構えていると、スピードを緩めてしまうと思われる。
よって、ゴールより遠い位置で待ち構えるのがベスト。
ハルさんが向かってきたときに、逃げるそぶりでもすれば、さらに加速するのではないか?
作戦その3 「メンコ」
競走馬がかぶっている覆面みたいなやつのことを「メンコ」というらしい。
これを被ると気性の荒い馬も大人しくなるとのこと。
飼い主にとって一番の心配は、ハルさんがレース途中で併走している他の犬と遊ぼうとすることであるが、これを被れば防げるのだろうか?
しかし、都合よくハルさんサイズが手に入るとは思えないので、断念するしかないか。
作戦その4 「ニンジン」
ハルさんの頭に棒をくくりつけ、その先に、ニンジンならぬ肉を吊り下げて走らせるという、いたって古典的な作戦である。
会場の笑いを誘えるのかもしれないが、どう考えても勝てるとは思えない。
却下。
ようし、作戦はバッチリ。
やるぞハルさん。
笑ってる場合ではないんですよ。
飼い主は本気モードに入ってるからね。