
再度(ふたたび)山へ行ってきた。少し前のことである。再度山は六甲の山々のひとつである(らしい)。
山そのものに動機があったわけではなく、この山にある
「再度山荘」という店でスペアリブが食べたかった。
オリジナルのタレに漬け込んで炭火でじっくり焼き上げるというスペアリブは、創業以来数十年、再度山荘の看板メニューとなっている。
確かに店のHPに掲載されている写真は、見ただけでヨダレが出るほど美味しそうである(←ハルさんと同レベル)。

というわけで2週間ほど前の休日、ハルさんを連れて再度山へ行くことになった。
再度山荘は六甲の国定公園内にあるので、どこから行っても山の中を歩くことになる。
JR元町駅からでも、徒歩40分程度のハイキングコースがあるそうだが、ハルさんを連れていたので車でモリモリと山道を登っていく。
途中、夜景の名所『ビーナスブリッジ』に寄って風景を楽しみ、恋人達がかける南京錠のためだけにできたオブジェ的なものをまじまじと見つめ、よくわからないポイントで車を止めて歩き出す。
夫がいうには、そのポイントから山に入るのが再度山荘にもっとも近いらしいのだが、私にはよくわからなかった。
でもまあこういうグルメ的な物事にたいする夫の嗅覚は並々ならぬものがあるので、ハルさんと一緒に黙ってついて行く。良妻である(←自画自賛)。
山道も、車道と同じく綺麗に整備されていて、(足の短い)犬連れでもとても歩きやすい。
空は晴れ渡り、木々の隙間から射す光が、紅葉をさらに美しく輝かせる。すばらしく気持ちのよいハイキングである。

10分ほど歩いただろうか、目の前に「再度山荘」という大きな看板が出現した。
看板横の階段をさらに上っていくと、肉の焼ける香ばしい匂いが漂ってくる。

ハルさんとともにテラスの一画に腰を落ち着け、素敵ランチをウキウキと待つ。

テラスからは、明るい日光に照らされた美しい山肌が見える。待っている間も退屈しない。

前もってランチコースを予約していたのだが、まず最初にやってきたのは「香味野菜と海鮮の串焼き香草風味」である。
サラダとパンがついているが、このパンももちろん炭火で焼き上げたものだ。

しかし。
ここへきて一つ問題が発生する。
「……あの、夫?」
「なに?」
「すごーく美味しそうやね」
「うん。それはもう」
「でも……なんか足りなくね?」
「……あー、何かわかるわソレ」
「……」
「……」
「すみませーん、生ビールくださーい!」というわけでつい生ビールを注文してしまったが、残念ながら今日は車である。
夫婦どちらかはアルコールを控えなくてはならない。
協議の結果、夫が前日飲み会だったことが決め手となり、妻がアルコール権を獲得する(←良妻はどこへ)。
というわけで完全なハーモニーが成立したところでモリモリと食べ始める。
玉葱もウィンナーもパプリカもえびもパンさえも、香ばしくてとても美味しい。
「すみませーん、生ビールくださーい!ウフー」ビールも進む(←良妻完全消滅)。
夫もいつのまにかノンアルコールビールを注文していた(←不憫)。

そうこうしているうちにメイン料理「炭焼きスペアリブ&炭焼きチキン」が登場する。

これが。
これがもうホントに。
ヤバイくらいに美味しいのである。
ありきたりな表現しかできないのが申し訳ないのだが、表面はカリッと香ばしく、中はジューシーで柔らかい。
焼く前にじっくり漬け込まれるというオリジナルのタレも強すぎず弱すぎず、実に良い塩梅なのだ。
自他共に認める肉好きのワタクシだが、これほど美味しいお肉は人生でもそうそうお目にかかった事がない。
というわけでつい
「すみませーん、ギネスくださーい!ウフフフフフー」ということになってしまった。帰りの山道を歩けるのかワタシ。

その後、心ゆくまで肉を堪能し(←骨からこそげとるのさえ楽しい)、食後のコーヒーをいただきながら、さらにサービスという焼マシュマロを楽しむ。

マシュマロは苦手なのだが、暖炉の火で焼き上げると、表面はカリカリ中身はトロトロでかなり美味しくなる。
夫は「甘すぎてムリかも」と言っていたが、私にはとても美味しくて、ついオカワリしてしまった。

食事中から夫が色々写真を撮っていたので、店の方から帰り際に「釜も撮ってくださいよ」といわれる。
つい最近完成した自慢の手作り石釜で、まだこれからいろいろ飾っていこうかと考えておられるという。

炭火のメニューだけでも十分満足できるけれど、さらに石釜のメニューが加わるのは、今からとても楽しみである。
石釜が素敵に飾り付けられる頃、また山道を通って遊びに行きたいものだ。

【つづく】
****************************************
飼い主二人にとっては大満足な再度山荘でのランチでしたが、ハルさんは、美味しそうな肉の匂いが漂う中、悶々とした時間であったことでしょう。
ずっと伏せて耐え忍んでいたハルさんにお疲れ様の
クリックをお願いします。

そして、ふたたび物語が後半へと続きます。
よろしかったら、こちらにも
クリックお願いします。